■操作マニュアル作成講座を終えて:マーケティング思考の重要性

 

1 レイアウト・色使いのワンパターン方式

操作マニュアルを作るときに一番大切なことについて、先日書きました。しかし多くの方がきれいなマニュアルがいいと思うはずです。便利なアプリケーションがありますから、それらを利用して見た目もよく、使いやすいマニュアルをつくることも可能でしょう。

今回、レイアウトや色使いに関して、標準的な「ワンパターン」方式を説明しました。文字と図の領域を分けるという基本から考えていきます。標準を知ったならば、あとは組織や部門ごとのカルチャーや様々な場面に合わせて、修正していけばよいと思います。

講義に関して、おおむね好意的なコメントをいただきましたが、講義のあと満足できなくて、全体をもう一度再確認する気になりました。操作マニュアルを作成するときに注意すべき点を自分が守っていなかったことに気づいて、今になって反省しています。

 

2 裏づけ説明の必要性

マニュアルというのは、必要部分だけで完結していなくてはなりません。全体を通読するものではありませんから、他の項目に書かれていることであっても、必要ならば重複を気にせずに情報を入れ込む必要があります。今回、その点で不十分なところがありました。

他講座と同じ話をすることがないように意識しすぎたようです。標準パターンの基礎になる色の説明や視線の動きについて、簡単な説明で済ませていました。標準パターンで作られた事例と、その基本から外れた事例を見てもらえば理解できるという発想です。

重要ポイントですから、なぜ標準パターンに効果があるのか、裏づけの説明をきっちりしたほうがよかったと思いました。操作マニュアルを記述する場合でも、なぜそうするのがよいかを説明したほうが納得のいく項目があるあります。講義でも同じでした。

あらためて操作マニュアルを作ることと、講座を作っていくことの類似性を感じました。「誰に」「何を」「どう説明するか」という基本となる発想が同じです。その項目、その講座の内容だけで十分な説明が必要であると、講座を振り返りながら思いました。

 

3 操作マニュアルとマーケティング思考

「誰に・何を・どのように」(who/what/how)というのはマーケティングを考えるときにも基本になる考え方です。あまりにシンプルすぎるのですが、これがとても威力を発揮します。「誰に・何を・どう売るか」を考えるのがマーケティングとも言えるでしょう。

操作マニュアルの場合、ユーザーを定義して(who)、項目を必要十分にして(what)、説明を工夫する(how)ということです。こうやってユーザー、項目、説明方法を検討していくことによって、マーケティングのセンスも磨かれることになると思います。

業務システムの操作マニュアルを作った人ならば、使い勝手のいい業務システムがどんなものであるのかが分かるはずです。そこに業務に関する知識が加われば、業務の目的から考えて業務システムの使用方法がどうあるべきかについて提案ができるでしょう。

操作マニュアルを作成することはマーケティング思考を身につけるために効果的な練習になるものです。今回の操作マニュアルの講座ではマーケティングの発想が不十分だったと思いました。講義の出来以上に高かった評価は、未熟さに対する激励だったと思います。

 

 

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