■頭の中を整理するということ:シンプルという条件

 

1 思考されたものの秩序

先日行ったビジネスセミナーを受講された方から、ご質問をいただきました。「頭の中を整理するということは、どういうことでしょうか」というものです。簡単な問題ではありません。本当のところは、よくわからないということになるかと思います。

頭の中を整理できたら、どうなるかという観点からお答えしました。頭の中をどうやったら整理できるかではありません。整理できたら、どういう状態になるかということが分かれば、整理されているかどうかだけはわかるだろうという発想です。

頭の中が整理できるということは、思考の整理が出来ていることです。思考の整理が出来ていたなら、思考されたものがある種の秩序を持つことになります。そうした秩序がある形式を構造とか体系と呼び、そうすることを構造化、体系化と言うのでしょう。

頭の中が整理されたら、構造化された、あるいは体系化された形式でまとめることができるはずだということを、答えとさせていただきました。まとめるというのは、きちんと文書に記述できるということです。文書にできたら、思考がまとまったことになります。

 

2 体系化と構造化

頭の中が整理できたら、思考が整理された文書が作れる。その場合の文書は構造化され体系化されているはずです。これが当面の答えでした。それでは「構造化とは何か?」「体系化とは何か?」ということになります。この点を何度かブログに書いてきました。

3つのブログを、以下の順番で読んでいただけたら、何かヒントがあるかもしれません。
[1] 体系化の手順:ある相談を事例にして
[2] 情報の組織化と体系化
[3] 体系化と構造化:基礎になる考え方・2つの検証方法

最後のものは、「体系化 構造化」と検索をかけると、わりあい上の方に出てきますが、これだけ読んでも、わかりにくいかもしれません。それで3つを読んでいただけたらと質問者に方にもお願いしました。ただ読んでみると、自分もできてない…と思いました。

 

3 シンプルという条件

何度もビジネスで成功しているオーナー社長さんが、正解を求めようとするときに、正確さを求めて、どんどん難しく複雑にしていくのは間違いだよ…とおっしゃっていました。誰でも納得するくらいシンプルなものにできたら、うまくいくのだとのことです。

構造という骨組みを考えるときに、シンプルという条件を加えないといけないと改めて思い返しました。成功しているビジネス・モデルは、たいてい中核部分がシンプルにできています。思考が整理できたら、シンプルな秩序ができあがるはずなのです。

オーナー社長の会社の場合も、ビジネス・モデルがきわめてシンプルでした。何度となくビジネスを成功させている鍵は、シンプルさにあるかもしれません。経営にプロとアマがあるからね…と語っていました。シンプルにできるのがプロというものなのでしょう。

 

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