■2019年度の就職活動がはじまって:ささやかな感想

 

1 インフレ傾向の内定

はやくも2019年の就職活動が始まっています。大学生の2月1日時点の内定率がすでに4.7%との報道もありました(リクルートキャリアの調査:2018/2/23 日本経済新聞電子版)。フライングという感じがしますが、3月に入ると内定率が一気に増加しています。

内定の現実に合わせて、経団連も2021年春に入社の学生から就活ルールを見直すとのこと(2018/3/6 日本経済新聞電子版)。この影響なのか、名の知れた企業では2月末に最終面接をして内定を出すはずだったところが、3月にもう一度面接をしています。

この調子で行くと、4月初め内定率は昨年よりどのくらい上回るのでしょうか。今年の内定は昨年よりもかなり早くなるかもしれません。ただ企業側は、内定を早く出したからといって安心していられないはずです。内定がインフレ気味で価値が下がっています。

 

2 内定辞退率が高い大学生

昨年多めに内定を出したものの、内定辞退率が高かったことは知られています。個別企業がその情報を出すことはあまりなさそうですが、北海道庁の状況について「北海道職員 内定辞退6割超 知事も衝撃」という記事があります(毎日新聞 2017年12月29日)。

高橋はるみ知事は2017年12月28日日の記者会見で「衝撃的だ」と語って対策を立てると述べています。辞退率が2013年の19%が、37%⇒59%⇒63%と上昇したそうです。2016年の170人採用予定に対し360人の内定を出したとのことですから計算できます。

おそらく170名の採用予定者が133名の採用になったのでしょう。2割以上の欠員になっています。この数字は首都圏の企業の状況に近いのかもしれません。2割足らないという声がいくつかの企業から聞こえてきます。しかし問題は人数ではなくなっています。

ある業績がよいドレス関連の企業の話を聞きました。当然、ドレス選びのセンスが問われる仕事があります。専門学校でドレスの専攻をした内定者が普通に行えることが、大学生にはできないというのです。大学生の辞退率が半数を超えたということでした。

こんなことは少し考えればわかりそうですが、面白いくらい教科書的にずれた会社があります。職種によっては専門学校生のほうが評価が上になっています。現場ではそれを知っているはずです。しかし相変わらず大学生中心の採用が続いている会社があります。

 

3 専門学校生に会わない企業と会いたがる企業

興味深いのは同じ業種の中で明暗がはっきりしてきたことです。ある会社は相変わらず大学生中心の採用になっています。昨年、大学生中心の採用と言われたのを気にして、そんなことありませんとアルバイトの専門学校生向けにメッセージが伝えてられていました。

学生からそれを見せられていたので当然、注目することになります。今年のエントリーシートで、学生時代に一生懸命取り組んだことを聞いていました。大学生なら3年間ありますが、2年で卒業する専門学校生の場合、実質1年間の学生時代しかありません。

一人の学生がある団体種目で、高校時代に日本一、世界大会で準優勝した経緯を書いてきました。これで大丈夫かと聞くのですが、会社の判断に任せるしかありません。この学生は一次の書類選考で落ちました。他にも優秀な学生が面接前に書類で落ちています。

普段の様子を知っていれば、ぜひ会いたいと思うはずの学生たちですが、会う必要がなかったようです。学生も様子見に書類を出していました。ブランドの高い会社ですから、その会社や関連会社でアルバイト経験のある学生が何人かいて、情報が回っています。

ブランドはあっても業績に陰りが見えるこの会社の対応に比して、業績が順調に伸びているある会社では、昨年内定が決まった学生に対して、採用担当者が専門学校生枠を増やすことを伝えています。当然、後輩にすぐに伝わりました。対応の違いが印象的です。

感性や心の細やかさは、本人を直接見なくてはわからないはずです。大学と専門学校の学生を数年見ていて、両者の扱いに差が大きすぎると感じます。一部の専門学校生の能力は飛び抜けていて、内定辞退率は極めて低いのです。会って確かめる価値はあります。

 

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