■操作マニュアルの作成計画:操作マニュアル作成講座を終えて

 

1 操作マニュアルのコンセプトを決める

操作マニュアル作成講座の講義を行ってきました。今回、テキストの分量を1割ほど減らし、講義中に操作マニュアルの作成計画を考える時間を取りました。計画を上手に作れれば、マニュアルもよいものになります。コツがわかれば、計画も短時間でできます。

計画を立てるというのは、どういうことをするのでしょうか。まず作成者側が、どんなコンセプトでマニュアルを作ろうとしているのかを示す必要があります。「誰に・何を・どのように (WHO/WHAT/HOW)」作るのかを、作成者側が示すということです。

どういうユーザーが使うのか、想定するレベルを考えます。それによって記述内容が変わります。全体のページ数も変わってくるはずです。あるいはページ数をどのくらいにするのか、条件が示されている場合もあります。そこでもまた記述が変わってきます。

 

2 実現可能な作成条件の設定

実際に作成する場合、様々な思いの中で具体的にどういうものにするのか…を絞り込んでいくことになります。この場合、作成者側がどういうものを作りたいのかというだけでなくて、作成を指示したり依頼したりする側とのイメージのすり合わせが大切です。

イメージのすり合わせをする前提として、「誰に・何を・どのように」を具体的なものにしていかなくてはなりません。ページ数はもちろんのこと、作成する人数と期間も問題になります。こうした様々な条件が全体として実現可能なものにならなくては困ります。

実現可能な条件を設定したならば、マニュアルの内容について、「こうあるべき」「こうあってほしい」ということがイメージできるようにします。全体構造を示すだけでは具体的なイメージが持ちにくいため、記述のサンプルを作って示すことが必要です。

 

3 「ある程度」の設定と到達方法

操作マニュアルを作る場合、全部の操作を書けば、それで出来上がりということにはなりません。操作方法を網羅的に記述して並べていくと、1000ページを超えてしまうマニュアルになることもあります。そうしたマニュアルだけでは戸惑う人が多いはずです。

ひとまず最低限これだけ使ってくださいという内容の操作マニュアルがあれば、多くのユーザーが使ってくれるでしょう。ある程度使える人なら、網羅的なマニュアルも有効にお使いになるでしょう。「ある程度」までに早く到達してもらう必要があります。

作成者がしなくてはならないのは、なるべく早く簡単に「ある程度」に到達してもらうための工夫です。「ある程度」を設定し、到達方法をどうするのかを考えます。どんな情報が必要であるのか、どんな順番で並べていくのがよいのかを決めなくてはなりません。

今回、作成計画を立てていただいたのも、それがあれば作成者側も具体的なサンプルを作りやすくなるからです。サンプルが作れたなら、イメージの調整が容易にできるはずですし、実際にマニュアルを作っていけるでしょう。最初の計画が大切だといえます。

 

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