■操作マニュアル講座[20160721]を終えて

 

1 センスがよくなる作り方を

21日に、操作マニュアル作成法の講義を行ってきました。6時間で操作マニュアルの基礎的な作り方が身につくようになっています。すでに操作マニュアルを作った経験のある方が3分の2強いらっしゃいました。おおぜいの方の参加に感謝しています。

実際にお作りになっている方の質問をお聞きすると、会社側のカルチャーというか習慣が大きく残っているケースがかなりありました。文書の共通化の一環として捉えるなら、それらの決まりを無視するわけには行きません。その条件下で作るのが原則です。

人数や時間の制約もありますから、完璧なものを作るのは困難でしょう。しかし、毎回作りながらセンスがよくなっていくように作りたいものです。そのとき、紙のマニュアルと電子化したマニュアルの関係をどう考えていくべきか、この点も問題になります。

 

2 紙と電子:共通性を重視

今後も、紙のマニュアルはなくならないと思います。紙という、手で触って書き込みが出来る素材には、捨てがたい魅力があります。同時に、電子化の方向は止まらないと見ておくべきでしょう。両者に共通して対応できる作り方が求められます。

紙のマニュアルでも電子化したものでも、操作マニュアルの作り方は、原則として同じです。違いよりも共通性が圧倒的に多くあります。ただ、電子化したマニュアルを作るほうが難しいはずです。紙は丁寧に読んでくれますが、電子文書は読み飛ばされます。

画面に表示される文章は、簡潔でわかりやすくなっていないと、読んでもらえません。わかりやすさを確保しながら文章量を減らすのですから、作成者は苦労するはずです。文章力が今まで以上に重要になります。一番の基礎となる文章に本気で取り組むべきです。

 

3 電子化されたマニュアルの注意点

紙のマニュアルと電子化マニュアルでは、情報へのアクセス方法が大きく違います。紙の場合、使い慣れるとこの辺りにある…というカンが働いて、使い勝手がよくなりますが、電子化マニュアルの場合、使い勝手がよくなっていくとしても、わずかなものです。

必要な情報になかなか到達しないという点が、電子化されたマニュアルの失敗原因にもなっています。項目名にキーワードを複数埋め込むなどの工夫が必要です。項目名の検索だけで、目的の項目にアクセスできるなら、ストレスはずいぶん減ります。

もう一つ電子化で注意しなくてはいけないのが、全体像が見えにくいという点です。自分の見ている項目が全体のどのあたりに位置しているのか…がわかることが、理解の助けになります。この点でも、何らかの工夫が欲しいものです。

文章力が求められたり、アクセスの工夫や全体像の表示が求められる点で、電子化されたマニュアルの方が作成は大変です。その意味では、作成者は電子化を意識して作っておく必要があります。それを紙に印刷しても問題がないように作るというのが原則です。

 

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