■マーケティングのプロの秘密:文書作成との類似

 

1 別の業態でも成功した社長

デパートのマーケティング部門で活躍していた人さんからお聞きした話です。デパートがスーパーをやり、その上、コンビニエンスストアを始めた場合、何となくデパートの社員が上に位置する気分になるようです。このとき社長から警告があったとのこと。

デパートの社員だから、何となく偉い気分になっているだろうが、利益を見たら、デパートよりスーパーのほうが多い、それ以上にコンビニのほうが多い。デパートの社員は、威張れるのか…と社長は指摘したそうです。

このとき、デパート出身者がスーパーやコンビニに行って指導することは、ご法度だったということでした。業態が違うので、デパート出身者の発想では成功しないということでした。ところがこの人は現在、別の業態で成功しているオーナー社長さんです。

 

2 マーケティングの出来る人

何でこの社長さんは、別の分野でもマーケティングを成功させているのでしょうか。秘密があるに違いありません。非公式なお話でしたが、知らないうちに聞き取りをしていました。他の方は別の業態ではほとんど成功しないそうですね、やはり何か違うのですね…。

しばらく考えた上で、こんなこと言ったら何だけど、マーケティングが出来るからだろう…とおっしゃいました。当たり前のようですが、こういうマーケティングの専門家から見ると、マーケティングが出来る人は、ごく少数だということです。

このとき例に挙がった会社の名前を聞くと、あらあらと思います。知る人ぞ知る会社のオーナー社長さん達は、お互いを認め合っているのか、知り合いの輪でつながっていることがわかりました。

 

3 誰に・何を・どう売るか

マーケティングが出来るというのは、どういうことなのでしょうか。この点、率直にお聞きすると、答えは明確でした。「誰に」「何を」「どう売るか」…それだけだと言うのです。これ以外、考えないということでした。

文書の作成に携わる者からすると、ああ、その通りだなあと思いました。文書を作成するときも、同じなのです。「誰に」「何を」「どう伝えるか」…が問題です。しかも、それだけを考えるという点が重要でした。

大枠をきちんと決めないと、どうにもなりません。この大枠が決まったら、細かい調整もやりようがありますが、ここで間違ってしまったら、調整も何もありません。まず基盤を固めることが大切だということです。これは文書作成の指針でもあります。

あまりにシンプルすぎるマーケティングのプロの方法ですが、このフィルターを通して、マーケティングを考えると見えてくることがあります。マーケティングの本を読むときも、読み方が変わってきます。大切な教えになっています。

 

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