■PDCAに対する違和感:フィードバック・BPRとの違い

1 PDCAはメイド・イン・ジャパン

PDCAという手法は、広く知られています。PDCAサイクルとも呼ばれるように、サイクルを回す手法です。「企業が行う一連の活動を、それぞれ Plan-Do-Check-Action(PDCA)という観点から管理するフレームワーク」(goo辞書)です。

80年代になって、日本的経営が注目された頃、「Action」を「Act」に変える例も出てきたようです。徳丸壮也が『日本的経営の興亡』で伝えるように、PDCAは、デミング・サイクルそのものではなくて、水野滋のつくった日本製の管理手法でした。

PDCA-とは、Plan、Do、Check、Actionの頭文字で構成されているが、この四つのうち、前の三つは動詞なのに、最後のActionだけは名詞であらわされている。アメリカ人なら、Actと動詞にするだろう

 

2 PDCAの概念は不明確

PDCAという言葉に対して違和感をもつのは、4つの用語にあたる概念が明確になっていないと感じるためです。概念が不明確なものは、手法としても使えません。自分勝手なルールになってしまいます。2つの点で、問題があると思います。

第1に、計画→実行→評価→改善…というプロセスを管理するのに、何を以って行うのか、明確になっていない点が問題です。サイクルを回すなら、4つの概念が同列であるはずです。そのとき同列と評価される基準が何であるのか。この点が、不明確です。

第2に、PDCAは、業務の構築に適応しない点が問題です。改善を構築につなげる場合、プロセスを見直して業務を再構築します[BPR・業務改革]。従来のプロセスを廃棄して、構築(built)しますから非連続です。サイクルを回すのとは違う概念です。

 

3 フィードバックの輪

実際に業務を行う場合、サイクル(輪)を回すのは、業務の運用管理が中心的だろうと思います。どういう輪になるのでしょうか。早くからデミング・セミナーに関わっていた唐津一の、『経営と情報』での説明が合理的です。

まず、目標を決めます。この周りに、輪を作ります。目標を決めたら、行動が始まります。しばらくしたら、行動の結果を測定することになります。その次に、行動の結果が目標とどのくらいずれているか、目標と比較することになります。

目標達成まで、「行動→測定→比較」というサイクルを回していきます。これがフィードバックの輪です。目標が変わったら、新しい別のサイクルが回ることになります。回すという以上、ここには回されるモノがあります。それが「情報」ということになります。

 

4 PDCAの必要性はあるのか…?

業務を運用する場合、フィードバックを行って、情報管理をしていきます。この情報管理によって、目標の管理がなされます。このフィードバックの考え方は、N・ウィーナーのサイバネティックスの考えを基礎にしています。

実務で実際に使っているのは、PDCAではなくて、フィードバックのほうだろうと思います。フィードバックの輪を回して、目標の管理を行っているはずです。一方、業務の構築(built)のときに、PDCAを使うことはないでしょう。

改善を積み重ねて、改革を行う場合、BPR(Business Process Re-engineering)の手法を使っているはずです。さらに業務変革の場合、ビジネスモデルを設計(architect)してから構築(built)しますから、PDCAを使う必要性はありません。

 

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