■電子化文書の作法4/4:構造化が決め手

1 構造化の2つの基礎練習

紙の文書なら、古いものはほとんど利用されなくなります。一方、電子化文書の場合、あとでの利用が容易です。検索を利用するのが一般的でしょう。再利用となると、文章の実力差が、歴然としたものになります。

必要十分な事項が盛り込まれているなら、よい文章です。それが出来るのは、盛り込む内容を何にするか、きちんと考えている人です。盛り込むものを考えるときに、一番基本的な方法は、箇条書きにすることです。

若手が報告する際に、箇条書きにして提出するよう求めている会社の話を前回いたしました。さらに、小見出しをつける練習が必要であると書きました。文書を構造化するときに効果のある基礎訓練が、この2つです。(⇒「電子化文書の作法3:独り立ちした文章」

構造化というのは、構成要素と、要素間の関係性をもとに同列・上位・下位などの形式を作ることです。そのためには、まず構成要素を固める必要があります。文書に何が必要なのか、わかることが基礎になります。

構造化の基礎固めのために、箇条書きで大切なポイントを書き出す練習をします。一方、短文をひと言で言うとどういう概念になるのか、これを明確にする練習が小見出しをつける練習です。両者が出来ないと、構造は上手に作れません。

上手な構造化は効果的ですが、下手な構造化は逆効果です。若手に箇条書きを出してもらって、それを構造化するのが、そのチームのリーダーの役割です。リーダーのまとめを見て、構造の作りかたを若手が勉強することになります。うまい方法です。

 

2 構造化の利点

ひとまとまりの構造を作るのは、難しいことです。自分の出した箇条書きが、構造のどこに位置づけられるのかを見ると、全体の中の部分が見えてきます。大切な業務に関して、全体の中の部分が見えるのは、相当実力がある人でないと無理でしょう。

文章にまとめると言うことは、いくつかの要素を組み合わせて構造物にすることです。この練習ができている人は、実際ごく少数です。業務マニュアルを書くときに、この構造化が必須です。管理職の方でも、出来なくて困っている例はめずらしくありません。

電子化文書を作るときに、今後、一番問題になるのが、構造化の能力だろうと思います。構造化された文章とは、必要な要素をひと括りしたうえで、構造を作っていく文章です。そうした文章なら、どこに何が書いてあるのか、探しやすくなります。

上位概念はどういうものであるのか、その構成要素はどういうものであるのか、それがはっきりしている文章ですから、全体から部分の流れが見えやすいのです。新聞紙面で言えば、この面は何が書かれている紙面なのか、上位概念がわかるだろうと思います。

上位概念がわかるならば、その領域を構成する要素は何であるのか、見出しを見ればわかります。見出しのついた領域に、一通りの要素がそろっている文章があるなら、それを読めば事足ります。構造がしっかりしていると、検索の失敗も少なくなります。

 

3 構造化の練習方法

電子化文書は、書く側に工夫することが求められます。書く側が構造を示す必要があるということです。これは練習が必要です。講義にいらしたほとんどの方が、練習などしたことがありませんとおっしゃいます。

あるとき受講者の中に、構造化が得意な方がいらっしゃいました。まだ入社2年目の方でした。高校時代にアメリカンスクールで似たことをやったと言うことでした。知らないうちに、それが身につきましたとおっしゃっていました。

担当の先生もよい先生だったようです。私が示した方法の簡易版という感じですとのことでした。別に特別な方法ではありません。構成メモを作ることです。必要事項を箇条書きであげてゆき、構造を見出す訓練です。

ただ、いきなり構造を作っていくのは難しく、一つ間違うと、自己満足の構造化が出来てしまいます。前述の通り、上手な構造化は効果的ですが、下手な構造化は逆効果です。最初はお手本があったほうがよいのです。

若手にレポートを箇条書きで提出させ、それをリーダーがまとめる形式も、お手本を示す役割があったのでしょう。組織の文書レベルを上げるための仕組みが上手に作られていて、見事だと思いました。

そんな上司がいないという人も多いでしょう。もっとよいお手本があります。前述のリーダーにも、お勧めした方法です。新聞の社説の構造を構成メモにしてみることです。これができるようになると、簡潔・的確な文章になります。

出来上がった構造を分析することによって、どうやって要素を括って組織化し、構造化するのかが見えてきます。練習をしていない人たちは、頭を抱えます。数ヶ月続けると、逆に、なぜ出来ないのか不思議になります。

具体的な方法を、以前のブログで書いています。ご興味ある方はご覧ください(⇒「文章の設計図づくり:ビジネス文書の練習」)。

 

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