■TPOの使い方:文章の直し方の実例

▼まず主述の関係をチェック

TPOが文章の読み書きに大切であることを書きました。どうやって、TPOを使ったらよいのか、具体的な事例でみた方がわかりやすいと思います。次の例文をもとに、考えて見ましょう。

訪問先のサハリン州で16日にあった、開発に関わる閣僚や自治体高官を集めた会議で「昨年12月に与えた任務の80%が実行されていない。仕事をする気があるのか」とプーチン氏は叱責(しっせき)した。

この文章は、若干わかりにくい文章です。どういう構造の文なのか、中核となる主述関係から見ていきましょう。「誰がどうした」の「誰」という「主体」と「述部」の関係をまずチェックするということです。例文では、最後に書かれています。

「ブーチン氏は叱責した」とあります。主体は「プーチン氏」でしょう。述語(述部)は「叱責した」で間違いないでしょう。ですから、この文は、ブーチン氏が会議の席上、怒ったということです。

その前にあるカギ括弧の中が、プーチン氏の発言であることもわかるはずです。カギ括弧があって、閉じたあとに助詞「と」がついた場合、その部分は述語に従属して語られた箇所です。≪「…」と≫は、叱責した内容が「これですよ」というマークになります。

では、TPOはどうなるでしょうか。

 

▼TPOの要素をチェック

TPOというのは、「時間、場所、場合」について書かれた箇所です。文の前提になっています。「訪問先のサハリン州で16日にあった、開発に関わる閣僚や自治体高官を集めた会議で」が、この文のTPOになります。

内容を見てみましょう。「訪問先のサハリン州で」は場所に関係します。「16日にあった」は時間に関係します。「開発に関わる閣僚や自治体高官を集めた会議で」は場合に関係します。この文には、「いつ・どこで・どんな場合」の要素がすべて入っています。

これらの要素をTPOの順番にそろえるのが原則です。まず「時・場所・場合」の要素を、その順番に並べてみましょう。時間…「16日にあった」、場所…「訪問先のサハリン州で」、場合…「開発に関わる閣僚や自治体高官を集めた会議で」になります。

このままつなげると、おかしな感じですね。「16日にあった訪問先のサハリン州で開発に関わる閣僚や自治体高官を集めた会議で」…。じつは、はじめにTPOの順に並べなかったので、おかしくなったのです。

 

▼「いつ・どこで・どんな場合」の順番に並べる

「訪問先のサハリン州で16日にあった」という原文は、場所・時間の順番です。これを時間・場所に変えると、「16日に訪問先のサハリン州であった」になります。ここから考えてみると、修正も簡単になるはずです。

「16日、訪問先のサハリン州で行われた」くらいでしょうか。このあとに場合というか、場面の要素がつながってきます。「16日、訪問先のサハリン州で行われた、開発に関わる閣僚や自治体高官を集めた会議で」となります。最後は「会議の席上」にしましょう。

全体をつなげて見ましょう。

16日、訪問先のサハリン州で行われた、開発に関わる閣僚や自治体高官を集めた会議の席上、「昨年12月に与えた任務の80%が実行されていない。仕事をする気があるのか」とプーチン氏は叱責(しっせき)した。

私たちは、「いつ・どこで・どんな場合」という順番に並んでいた方が、すっきり感じます。原文は、以下です。

訪問先のサハリン州で16日にあった、開発に関わる閣僚や自治体高官を集めた会議で「昨年12月に与えた任務の80%が実行されていない。仕事をする気があるのか」とプーチン氏は叱責(しっせき)した。

 


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