■「は」と「が」をめぐって その6

▼第2ルールのまとめ

日本語上級者の高さんからのメールをめぐって検証が続いています。「は」「が」の使い分けのために4つのルールが示されました。前回までに第1ルールと第2ルールを検討しました。

第2ルールに関連して、「が」には、筆者が選択した項目を述部と結びつける作用があり、「は」には、項目を客観的に強調して、他項目と区別する作用がある、とまとめてみました。

 

▼高さんの第4ルール

ここに高さんの第4ルールを加えてみましょう。
【第4ルール】2つの並列言葉に主従関係がない場合、両方の主題の後に「は」が来る。

高さんは、「おじいさんは山に柴刈に、おばあさんは川に洗濯に行きました」についても、このルールを適用して「は」が接続すると考えています。もちろん、それでまちがいありません。

「項目を客観的に強調して、他項目と区別する作用」の典型例が、並列です。もともと「は」は、「これは~」「あれは~」と項目を並べて区別するための助詞だったようです。この例文でも、「おじいさん」と「おばあさん」を区別することが主眼でしょう。

 

▼第4ルールの修正

第4ルールを少し修正しましょう。並列であるなら主従関係はありませんから、主従関係はカットしましょう。並列のときに、「は」がくるということです。問題は、「両方の主題の後に」という点です。

事例としてあげてくださったのが、「ミカンは食べるが、リンゴは食べない」でした。先の「おじいさん・おばあさん」の並列関係とは、別の形式だろうと思います。「おばあさんは川に洗濯に行きました」の「おばあさん」は主体ですから。

主体かどうかは、≪誰が「行きました」…なのですか?≫と考えればわかります。「おばあさん」です。では、「ミカンは食べるが、リンゴは食べない」の「ミカン」「リンゴ」はどうでしょうか。≪誰が「食べる」…なのですか?≫ 主体は「私」でしょう。

この点、高さんが「ミカン」「リンゴ」を主題だと書いているのは、まちがいではありません。しかし、「おじいさん・おばあさん」も主題です。もう少しつめる必要があります。

 

▼焦点の強調

例文の主体は「私」です。「私はミカンを食べる」「私はリンゴを食べない」ということです。「私」を省略すると、「ミカンを食べ、リンゴを食べない」になります。この言い方と、「ミカンは食べるが、リンゴは食べない」はどう違うのでしょうか。

「ミカン・リンゴ」は私のいう焦点に当たります。【焦点】=【必須成分】-【主体+述部】です。並列関係の場合、焦点を強調して両者の違いを浮き立たせることがあります。そのとき、「を」が「は」に変わるのです。「ミカンは」になります。

まとめるとこうなります。並列関係において焦点を強調する場合、「は」をつける。
「AしかしB」というときのA・Bが焦点だった場合、A・Bを強調する例は多く見られます。

焦点を強調する言い方は、本来、好ましくありません。「は」は、主体につけるのが標準的です。日本語のバイエルでは、焦点を強調して「は」を接続させることは、例外的な処置だと考えています。

しかし以上の点、まだ大前提が抜けています。(この項つづきます)

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