■メモ書きから文章へ
▼メモ書きなら気になりませんが…
ふと思いついたことが、つぎつぎ文章になっていくのは自然な過程です。文章を作るときに、いちいち考えていたら、先に進みません。細かいことを気にしすぎていたら、文章自体が萎縮してしまいますから。
例えば、いま私はブログの更新をどうしたらよいのか、困っています。自分でアップロードするのが心配なのです。その方法も知りません。しかし、そんなに難しくないとも聞きます。
そんな時、メモを書いておくことがありますね。例えば、今日のノルマ「ブログの更新ができるように」という風に。あるいは「ブログの更新をできるようにすること」と。
▼文にするとき気になること
メモ書きの場合、あまり細かいことは気になりませんが、文にするときのことを考えると、「ブログの更新をできるようにすること」というメモ書きは気になります。「ブログの更新を」なのか「ブログの更新が」なのか、ふと気になるのです。
こういうとき日本語の基本的なルールから考えると、わりあい簡単に問題解決につながります。ルールがわかると修正の仕方がわかると言うことでしょう。基本的なルールを身につけることが修正力をつけることにつながります。
メモ書きも、もし「ブログの更新ができるようになること」なら、「更新が」でないと逆に不安定な感じになります。「すること」と「なること」の違いが、その前につく助詞の選択に影響を与えています。
▼基本的なルールを当てはめてみる
「できる」という可能である状態を示す言葉に、「する」という行為の言葉がついたために、何となく不安定な気分になったといえそうです。行為の前なら「を」、状態の前なら「が」という日本語のルールに忠実な方が、文がわかりやすくなります。
この場合、「できるようにすること」を「覚えること」にすると、ずっとすっきりします。「ブログの更新を覚えること」となって、簡潔になります。ここまで来ると、今度は必要な情報が不足している気がしてきます。
「ブログの更新を」というよりも、「ブログの更新の仕方を」なのでしょう。「ブログの更新の仕方を覚えること」となります。こちらのほうが的確です。「の」が2つ重なるのがイヤなら、「ブログ更新の仕方を覚えること」にしましょう。
▼簡潔・的確にするルール
おかしいと思ったら助詞のルールに従っているかチェックします。また情報が必要十分かチェックします。こうした簡潔・的確にするルールを適用してみることです。
本日のノルマは、「……」です。
(1)「ブログの更新をできるようにすること」
(2)「ブログの更新を覚えること」
(3)「ブログ更新の仕方を覚えること」
文にする場合、(3)がよいですね。これは「何となくおかしいと思ったら、基本的なルールに立ち返ることが役に立つ」というささやかな事例です。