■業務システムの操作マニュアルについて

1. 感覚的に使えるシステム

操作マニュアルについて、興味深い事例がありました。システム会社の部長さんからお聞きしたお話です。もう2年前のことになります。

おつき合いのある会社のシステムを更新することになったそうです。そのときの新しい仕様の要求内容を見て、びっくりしたというのです。自分たちの開発した業務システムが使われていない、と思い知ったそうです。

自分たちは使いやすいシステムを作ろうと苦労してきたのに、それが逆の結果を生んでしまったと感じたそうです。業務システムの使い勝手は、しばしば問題になってきました。

感覚的に使える使い勝手のよいシステムという言い方は、ここ数年よく耳にしたことと思います。そのシステム会社でも、操作性を大切にしてきたそうです。以前に比べて業務システムの使い勝手は、ずいぶんよくなったと言われています。

さらに若い人たちは、デジタル製品になじんでいます。何となく使っいるうちに、使い方を覚えてしまうことがよくあります。それが、逆に働いたのです。

2. 機能が使われなかった理由

新しく導入された業務システムを、若い方々は、どんどん使い始めるようですね。上の世代の人たちは、それを頼もしく見ていたはずです。

しかし何年かすると、業務が徐々に変わってきますから、新たな機能がほしくなってきます。それ自体は、自然なことです。新しいシステム導入が検討され、それについて、システム会社と相談ということになります。

部長さんは、そのとき受けた要求のかなりのものが、現状のシステムにある機能だったことに驚いたのです。それで、お聞きになったようです。どうやって、システムを使っていたのか。

若い人たちは、操作マニュアルなど見ません。どんどん使いながら、使い方を覚えていきます。しかし業務について、これができたらという発想は余りありませんから、素直な使い方でできる操作をどんどん使うようになっていったようです。

知らないうちに、各人の自分流の使い方になっていったようです。全体の機能のうちの3割くらいしか使っていないのではないかという状態の上、統一的な使い方をしていないために、本来の機能のごく一部しか利用されていない状態だったようです。

3. システムと業務のコラボレーション

部長さんは、会社の中に操作マニュアルの部門を立ち上げようと思ったようです。せっかく作ったシステムを十分に使ってもらうには、良いマニュアルを作ることが必要だと考えたのです。立派なことだと思います。

まずは自社システムの操作マニュアルの質を上げて、付加価値をつけ、それをもとに、操作マニュアルのコンサル部門まで立ち上げられたらということでした。ご相談をうけて、そのときは、これはいけるかなあ…とも思いました。

しかし、簡単にいかない理由があるのです。システム会社の方々は、文書の訓練をしてきたわけではありませんから、基礎力のチェックが必要です。一定レベルの文章力をつけて、それをベースにマニュアル作成の手法を練習する必要があります。

それだけの時間があるのでしょうか。それなりの時間がかかるはずです。そんな余裕があるのかどうか、それが心配でした。部長さん自身、しばしば出張に出かけている身です。そんなに簡単にいかないようでした。

こういうとき、ユーザー側はどうしたらよいのでしょうか。王道を行くしかないと思います。システム会社からもらった、機能中心の操作マニュアルを、自社用に生まれ変わらせることです。いままでは、システム会社に依存していたところが無きにしもあらずです。システムについて、何となく他人事のような雰囲気があったかもしれません。

自分の体に合わせて、服を作る必要がありますね。システムと業務のコラボレーションがうまくいきはじめれば、きっといままで以上に、業務の成果は上がることでしょう。

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