■図解講座とデザイン:ビジネス人にとっての図解

    

1 手で描いてみる

先日行った図解講座で、営業担当だった教え子が、今度、デザインにかかわるようになるという話をしました。営業の成績が飛び抜けていたので、お客様のニーズもつかめるだろうということのようです。今後、デザインをする場合、基礎からやるしかありません。

図解講座の場合、デザインの基礎に関する内容を組み込んでいますから、この講座でやったことを実践することになります。今までも、フラワーのデザインをすることになった教え子が、同じようにして成功してきました。その事例もテキストに入れてあります。

ラフスケッチを描いて、それを詰めていき、作品に仕上げていく過程は、デザインをもとに製品を作る場合も、図解をする場合も同じです。こうした共通性があります。したがって図解に慣れるまで、手で描いてみる必要があるということにもなるのです。

      

2 内容は定量化されたもの

たとえばフラワーの作品を作る場合、これはお客様に売買することになりますから、別の様子も考えなくてはなりません。どの花を選択するか、時価を見ながらコスト計算をする必要もあります。こうした別の要素が入ってくるのは当然のことでしょう。

図解の場合、デザインの基礎も必要ですが、内容勝負のものですから、デザインに先立って、訴えるべき内容を何にすべきかを決めなくてはなりません。このとき、ビジネスで使われる図表というのは、イメージ優先ではなく、客観的でなくてはなりません。

客観的ということは、定量化できるものが有利になります。定量化したものを、表にしたり、グラフにするのが原則です。あるいは独自の形式の図にする場合もあるかもしれません。いずれにしても、そこで数量的な裏づけのあるものが必要です。

    

3 仕事の水準が図解に反映

ビジネスで数字を見ておく必要があるのは、言うまでもありません。自分の仕事に関する何らかのデータは普段の業務の過程で確認しているはずです。そのレベルが図解をする場合に、反映します。その点で、図解は仕事のレベルに依存するものと言えるでしょう。

ビジネスで使われる目標という概念には、客観的な基準によって業務の状況を表すという原則があります。漠然とした内容では目標にはなりません。こうした数字による把握が目標になり、その目標を管理することがマネジメントの重要な機能になっています。

これはビジョンとは対照的な見え方でしょう。ビジョンの場合、ある場面を思い描いて、それを表現するものです。定性的なものと言えます。定量的なものと定性的なものが両方必要です。図解の場合、定量的な内容に基づいて作成することになります。

ビジネス人は、ふだんから仕事に関する数字を見ておく必要があるということです。図解に必要だからということではありません。逆にいうと、使われている図がよいか悪いかで、その人の能力が見えてくることがあります。案外、図解はおそろしいものです。

    

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