■文を構成するパターン:核となる助詞

     

1 言葉の当てはめ

日本語の文法について、だらだらと思いつきを書いています。もうすでに、中核部分は10年以上前にできていましたが、思いつきを書いてみようと思いました。それをしてから、コンパクトにまとめる方がいいかなという気がしたのです。さて、どうなることやら。

日本語の場合、助詞の機能が重要な働きをしています。小学校に入る時期が、助詞の機能を身につける時期とほぼ重なるようです。5歳とか6歳で助詞が使えるようになるとのことでした。小学1年生に作文の指導をしていたときに、驚いた経験があります。

数週間で作文のレベルが変わってしまうほど、文章が書けるようになることがあるのです。書く量が急に増えてきて、その質も高くなってきます。保護者も自宅で話す内容の変化に気がついて、びっくりして連絡をくださったりしました。すごいものです。

助詞の使い方がわかったとしても、それを文に構成するには、練習が必要になります。しかし助詞の使い方がわかっている段階からのスタートですから、パターン練習みたいなものです。パターンができてくると、表現できないことが表現できるようになってきます。

      

2 文の形式を作る瞬間

最低限の言葉を知り、その後に、助詞の使い方を感覚的に身につけてしまう時期がやってくるのです。3歳くらいまでに基本用語がわかってくると、助詞なしの話をすることがあります。「ゴリラ、木の上、バナナ、食べてる」といった風です。

ここから、簡単な文を作ろうとすると、ちょっとした飛躍があります。助詞を正確につけなくてはいけません。さらに言うと、センテンスに載せる言葉を選択して、一部の言葉をカットすることも必要になります。何を言うかを絞りこんで、言葉を選択するのです。

小学1年生ならば、「ゴリラが」と言います。その後、止まってしまうのです。それでこちらが「バナナ…」と言うと、しばらくして「バナナを食べている」と答えて、そこからはすぐに「ゴリラがバナナを食べている」という文の形式を作ることになります。

      

3 自ら作る言葉のパターン

私たちは「誰が・何を・どうした」というパターンを、「ゴリラがバナナを食べている」といった具体的な事例を通じて、認識していくようです。パターンが先にあるのではなく、何となく感じていたパターンを、自分でも使えるように意識することになります。

それを具体的に当てはめて、文の形にできる経験の繰り返しによって、基本的な構文の認識ができることになるということです。逆ではありません。具体的な言葉を何度も聞きながら、言葉のパターンを作るのです。そのとき助詞がパターンの骨組みを作ります。

以上は、自分が見てきたことにすぎませんから、絶対ではありません。この種のことは本にも書かれています。学者の研究であっても、自分の感覚と違ったものは、簡単には受け入れられません。もうすこし自分の感覚で日本語のルールを探っていけたらと思います。

     

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