■構想を立ててから書く、書いてから構想が見えるという構造

    

1 気楽に書くことを優先

今年から日本語の文法の連載を再開しています。昨年、構想を立てて、それなりに準備をしてから書きはじめたつもりでしたが、実際に書いてみると、予定通りには進みません。コロナで仕事もスケジュール通りいかなくなって、中断することになりました。

昨年末から、また再開になっています。これでは何も書かないままになると思ったのでした。負担に感じる書き方ではダメだ、ブログを書くように気楽に書こうということです。下書きなしの一発勝負ですから、詰めの甘いのは最初から仕方ないと思っています。

行きつ戻りつですから、重複することがありますが、それも仕方ありません。自分でも驚く勘違いがあったり、そのとき思いついていたことが今では微妙な感じになっているところもあります。冗長になったところや、おかしな点は、後ほど見直すしかありません。

     

2 まとまりの良さを追わない

最初にある程度の構想を立てて、あとはその時その時、思いつくままに項目を書いていき、あとでもう一度見直すほうが良いと思いました。これはテキストをつくるときに、実践している方法でもあります。書かれたものがあったほうが、修正しやすいのです。

コンパクトで、まとまりのよいものを最初からつくろうとしても、簡単ではありません。どうも頭の働かせ方として、自由に書いてみて、書いたものをもう一度直していくほうが良い気がします。あれこれのつながりが、見えてきやすいということです。

何となく感じていたことですが、まとまりの良さを重視しすぎると、講義の場合、うまくいきません。行きつ戻りつで、音楽のように、テーマとか通奏低音のような貫くものがありながら、変奏していくほうが伝わりやすいということを感じます。

      

3 書くことで見えてくるもの

ある程度、わかった分野なら、何度か関連したことも書いたこともあるでしょうから、それを変形させていけば、頭の中での整理も可能かもしれません。しかしまだ十分にまとまっていないものを構成することは簡単なことではないでしょう。

新しく考えをまとめることは思った以上に、苦労します。ビジネスの場合でも、通常の業務に関する事なら、そう苦労しないかもしれません。どうなるかとか、どうすべきかは、すでに見えていることがありますし、それを記すスタイルもできているはずです。

しかし新しいことをしようとしたら、多くの場合、整備したものを簡単に提示することはできません。完璧はないですから、間違いや予定外のことが必ずあると思っていたほうが良いでしょう。ただしこのあたり、その人その人で、違いがあるかもしれません。

連載を再開する程度のことでも、苦労しましたから、まだまだ甘いのです。書いていくことで、構想を立て直す何ものかが見えてくることがあります。書いてなかったら、わかっているつもりのことが、実際にはわかっていなかったと気づかなかったはずです。

      

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