■マニュアルの電子化、動画の活用について

     

1 動画の検索順位の変化

動画の検索順位が高くなってきたと聞いたのは、もう2年前だったでしょうか。油絵教室を運営していますので、お試しで動画を作ってもらったりもしました。たしかに検索順位は高かったのですが、見た人は、ほとんど会員やその周辺の人たちだったようです。

どうも検索順位の高さが恣意的な感じがしていましたが、あれから1年もしないうちに、徐々に検索順位が落ちだしてきました。ただユーチューバ―と言われる人たちの中には成功している人がいますから、その分野では動画の利用は拡大しているのでしょう。

私の場合、動画の作成や動画でしゃべることとは、あまりかかわりがありません。ただ別の分野で、しばしば聞かれることがあります。動画のマニュアルはどうなっているのか、あるいは今後どうなるのか…ということです。ちょっと気になるのでしょう。

     

2 動画とマニュアルの相性

昨年、電子化と動画のマニュアルについての講義の話をいただきました。早めに骨格を作っておいて、修正するつもりでしたが、中心部分はあまり変わっていません。状況は変わってきたとはいえ、すでにトレンドが出来ていて、先行きはある程度見えていたのです。

率直なところ、あまり成功事例がありません。動画とマニュアルはあまり相性がよくないのです。一定以上の利用をしてもらおうとしたら、そうとう苦労するということになります。費用対効果を考えると、動画はあまり報われないことが多いのです。

たとえば操作マニュアルの場合、利用者は、どういう人でしょうか。何かしたいのに出来ないで困っている、困ったことが起こったが、どうすればいいのか…という人たちだろうと思います。早い解決を願っている場合、じっくり動画を見てくれそうにありません。

楽しんで動画を見るのとは違います。動画の中から、自分に必要な情報のありかを見つけて、そこをさっと見て、理解して、解決…という一連の流れがスムーズに行くとは思えません。苦労しそうです。しばしば、紙や電子でのマニュアルの方がいい!…となります。

     

3 版下になる電子マニュアル

もはや紙から電子への流れは当然のことではありますが、同時に紙のマニュアルもなくならないだろうと思います。その上、「版下としての電子マニュアル」という位置づけが出来るようになってきているのです。これは、かつてと逆になっているとも言えます。

マニュアルの電子化を推進するため、紙マニュアルの原稿をPDF化して、それをPCで見えるようにするケースがたくさんありました。マニュアルの電子化の初期段階では、別にめずらしいことではなかったと思います。ただ、問題は使い勝手が悪いことでした。

かつては紙のマニュアルを版下にしていたのに、いまや電子マニュアルの原稿が版下になるのです。この流れになるのはどうしてか、なぜそれがいいのか、そんなことを考えてみたいと思います。基礎を押えながら考えてみると、気づくことが出てくるはずです。

     

★追記: 講義について、記しておりませんでした。
【マニュアルの電子化・動画活用講座】 JUASにて9月3日に行います。
まだ満席ではありませんので、いまからでも受講は可能です。
    


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