■小さな組織でシステム化が遅れる理由

      

1 システムの専門家との連携

先日、ワードプレスの更新が出来なくなって、そのあと、しばらく混乱しました。セキュリティを含めて、きちんとしたものになっているはずでしたが、どこかにバグがあったら、私たち普通の人間の場合、お手上げになります。専門家と連携が必要です。

幸いシステムを専門とする人達とお仕事でも連携が取れていましたから、何とかなりましたが、もう少し定期的に、専門家とお話したいと思いました。いま徐々にその体制を整えています。どうしても業務の見直しをするときに、システム化が不可欠です。

一方、システムの専門家は業務の内容自体には口出しできませんから、そこに認識の違いが生じます。ビジネス人ならば、かなりの人たちがシステムの要件定義がどうしたという話を聞いたことがあるはずです。簡単に解決できる問題ではないと気づくことでしょう。

     

2 業務フローにおける粒度と流れ

業務マニュアルの作成講座をするときに、業務フロー(ワークフロー)をつくる演習をしていただきます。そのとき、誰が描いても共通のフローになる方法はないのでしょうかというご質問をなさる方がいます。たいていシステムの担当者です。

業務の範囲をどの単位にするかによって、フローの図の見た目が大きく違ってきます。業務の範囲、粒度という言い方がよくなされますが、これは簡単に決まりません。全体を見て、全体から各業務の粒度を決めていくしかないということになります。

業務には正解がありませんから、どういう仕事の仕方にしたらよいのかは、常に最適化していく…と言うしかありません。大きな流れがどうなっているのか、その把握が大切です。ここでいう大きな流れとは、しばしば、ビジネスプロセスと呼ばれています。

ここで注意すべきことは、各プロセスの粒度は可変的なものだということです。これは業務全体から決まります。しかし慣れてくれば、流れ方が同じなら、業務フローを見れば、業務の粒度が違うというだけで、業務自体は同じだということがわかるはずです。

       

3 どうシステム化したいのかが言えない

フローの描き方の前に、業務の整理が大切だということは、おわかりでしょう。全体の業務の流れが把握できるなら、業務の粒度をどのくらいにすべきかが決まりますから、描かれた図が違っても、問題ないのです。重要なのは、全体の流れの方だといえます。

こうした業務全体の流れを、どう作ったらよいのでしょうか。この流れをつくる当事者は、いうまでもなく各組織の人です。同時に業務にはシステムが絡んできますが、システム化を実現させる立場にあるシステムの専門家は原則として、ここに口出しできません。

小さな組織でシステム化が遅れがちなのは、業務を把握することが苦手であること、それでもベテランがいて、属人的に業務が回っているということがあげられます。そろそろ限界だと思っても、どんな風にシステム化したいのか、きちんと言えません。

システムの専門家がマネジメントから始まって、業務に関する面倒な話に首を突っ込むのは、まず無理です。また発注側から聞きとっても、十分な要件・定義などできそうにありません。採算も合わないでしょう。その結果、システム化が遅れることになります。

       

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