■目標の立て方…総論風に:マネジメントの体系

1 マネジメントの起点

マネジメントは、自分が何をしたいか、何をすべきかを考えるから始まる。このときのポイントは、自分だけの思いでは間違うということである。他者の視点が必要になる。ドラッカーは、自分達の活動について、どう記憶してもらいたいかを問えと言った。

別の言い方をするなら高倉健が「あなたに褒められたくて」と語った、あの気持ちだということになる。ここでのあなたは、自分の母親であった。自分にとって大切な人に、自分や自分たちがどういうことをしていると思ってもらいたいか、それを考える。

ドラッカーは『非営利組織の経営』にこの点を、わかりにくい形ではあるが、書いている。さて、どこに上記の考えが示されているだろうか。興味のある人は、この本を読んでみるのがよいのではないか。『マネジメント』の先にある考えが示唆されている。

 

2 静的な分析を動的に転換

自分が何をすべきであるかが決まったとしたら、それが使命(ミッション)だということである。使命は明確でなくてはならない。シンプルな形式の信条が示される必要がある。この信条が自己イメージとなる。これが決まったら、ビジネスの定義の段階に進む。

ビジネスの定義は、環境、使命、卓越性(強み)から導かれる。これについては、ビジネスの理論(The Theory of the Buisiness)にある。この論文については、以前、このエッセンスについて書いたものがある(興味のある方はこちら[1]および[2] を)。

ここで検討されたものを「誰に・何を・どのように」の観点からまとめると、マーケティングの中核が定まることになる。この「who・what・how」についても、以前に書いたことがある(「Who/What/How:誰に・何を・どのように…のシンプルで強力な戦略手法」)。

マーケティングという静的な分析を、動的に変えるためには、仕事を実践するための仕事の構築が必要になる。その基礎になるのがビジネスモデルである。実際にそれが決まることによって、各人が、何を、どうすればよいのかがわかってくる。

 

3 目標の設定と達成手段

ビジネスをどう行っていくのかのイメージができ、そのシュミレーションをしてみれば、その先の到達点が見えてくる。その到達点の最高水準が目標になる。目標は客観的なものであることが求められる。達成したか否かが、明確に判断できる基準が必要である。

目標が設定できたなら、それをコントロールして成果をあげていかなくてはならない。これが目標管理ということである。実行し、それを測定し、目標との比較をする必要がある。ここから逆に、実践のために何が必要であるかが見えてくる。

計画と準備がなされていなかったら、実行はできない。実行した仕事をどう測定するのか、その方法と基準(単位・尺度)が必要となる。さらに比較すべき複数の目標が必要である。ステップごとに部門ごとに、比較の基準を事前に示していくことになる。

実践するためには、人が必要であり、施設も道具も資金も必要となる。様々な要因がある中で、ビジネス環境に影響されながら、実践していかなくてはいけない。それらに合わせてスケジュール管理が必要になってくる。こうしたマネジメント体系が必要である。

 

 

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