■目標をどう決めるか:リーダーのために その4

1 目標があると、やる気になる

目標を立てるとき、それによって仕事にやる気がでるかどうか、大きな成果をあげられるかどうか、責任ある仕事をさせてもらえるかどうかが大切なポイントになる。この点をリーダーが考えなくてはならない。そのためには、ビジネスの構想が必要である。

リーダーが示すビジネスの構想、いわゆるビジョンが魅力的であるかどうかによって、やる気になるかどうか、その結果として成果が上がるかどうかが決まってくる。こうすればうまくいくという見通しをリーダーが示して、この指とまれと人が集められるかどうか。

こうやってメンバーにリーダーの構想が周知されていくのが、あるべき姿である。このときリーダーが示した構想がビジネスにおいては戦略と呼ばれる。戦略が目標に先立つ。戦略に基づいて、その先にある到達すべき地点が明確になる。それが目標である。

 

2 達成の姿を複数の指標で示す

リーダーの示す戦略を補強しながら、戦略が周知されていき、その先にある姿が明確になっていく。そのとき、その姿を客観的に表現する必要がでてくる。客観的であるということは、達成なのか未達なのかがわかること、数値化できたらそれにこしたことはない。

目標が本来、こうした経緯で生まれるため、目標にはある種の条件が組み込まれることになる。ビジネス環境によって変動することが最初からわかっているので、それを安定的に示し、かつ達成する工夫が必要である。単純な一つの指標では間違うリスクがある。

概念を明確にするために、客観的な指標を作る場合、複数の尺度が必要になる。プロ野球選手で、一流のバッターであることを客観的に示そうとする場合、打率だけでは不十分であろう。打率3割以上、ホームラン30本以上…という形式で一流を示すことになる。

目標を示すということは、それに先立つ戦略に基づいて、ある時点でどこまで行けるかを示すということである。正確に達成の姿を表そうとしたら、複数の指標が必要になる。そのとき、それぞれの指標を客観的なものにすることが求められる。

 

3 使命の決定から目標の設定へ

目標についての話のとき、「いきなり数字が出てくる…」という不満を聞くことがある。こういう感覚が、「あるのは利益の追求だけだ」と感じさせるのだろう。そう感じたら、仕事の担当者たちはやる気にならない。十分な成果を得ようというのは無理である。

(1)自分たちの使命がどんなものであるのかが明確になっていること、(2)戦略が明確であること。これなら目標達成を信じることが出来る。そのとき、責任ある仕事を任されたなら、やる気になる。こうした仕事の仕方ならば、成果が上がるのは当然だ…といえる。

自分達の仕事に誇りを持つためには、使命に基づいた仕事であることが不可欠の条件である。自分たちにとって大切な人たちが、自分たちの活動を、どのように見てくれるのか。それを意識することによって使命が決まり、目標の設定につながっていくことになる。

 

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