■なぜマネジメントを学ぶのか その3


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7 「誰に・何を・どのように」

私たちはマネジメントを学ぶことによって、自分達の活動がこれでよいのかが評価できるようになります。その結果として、活動の問題点を修理・改善することにつながり、あるいは新しい活動を構築し、改革を行うことにつながっていくはずです。

そのためには、自分達の信念となる活動の目的を明確にする必要があります。具体的な目標を設定して、それを明確化していく。そのための戦略が必要です。さらに実現の手段が必要になります。計画を立てスケジュールを実施すること。そのための戦術が必要です。

ドラッカーの「5つの質問」でいえば、質問2「われわれの顧客は誰か?」、質問3「顧客にとっての価値は何か?」、質問4「われわれにとっての成果は何か?」という3つの質問が、第2のステップにあたります。戦略を立てるための質問といえるでしょう。

3つの質問が、戦略の基礎を固めるための質問になっていることが大切です。戦略とは構想であるとも言われます。何についての構想であるかと言えば、この3つ、「誰に・何を・どのように」を決めることが基礎であるということになるでしょう。

ドラッカーの言葉で言えば、活動による作用を及ぼす人たちが「顧客」ということになります。顧客を想定して、その顧客を創り出すために、価値のあることを提供することが必要です。何を創り出す必要があるのか。さらに自分たちにとっての成果が問われます。

 

8 目標設定

私たちは、直感的に目標を設定することがあります。経験のある人の場合、いきなり適切な目標を掲げることができるようです。私たちには見えないところで、何をどうすれば、どんなことになるだろうという見通しが立っているのだろうと思います。

目標を生み出すためには、見通しが立っていなくてはなりません。その見通しのことをビジョンと呼ぶこともあるでしょう。どうすれば適切な目標をたてられるのかと言えば、背景に戦略があるからということになるはずです。よい戦略なら、目標は高くなります。

先が見通せること、その上で、どう活動すべきかが明確にできること、つまり構想にすることが戦略であり、その結果としての着地点、ゴールとなるのが目標です。これらの一連のことを考えるときに、「誰に・何を・どのように」を考えることが基礎になります。

何度となく、こうした考え方を使っていくことによって、だんだん目標設定が適切になっていくはずです。マネジメントのステップで言うと、3つのステップのうちの2番目にあたるのが、見通しを立てて、構想を立てて、到達点を考えることにあたります。

これらが自然に出来てしまう人がまれにいますが、そこから直接学ぶことは簡単ではありません。ところがマネジメントの考えに従って考えていくと、その訓練に従って、適切な答えが出していけるようになるはずです。それは活動の結果によって検証できます。

 

9 目標管理

適切に設定された目標を、実際に達成するために、どう行動したらよいのか、それをどうやって管理していったらいいのか、これが3番目のステップになります。どういう行路を進むべきか、それをどう確認していくべきかという、実践するときの段階が必要です。

実践によって成果が生まれます。それまでの思いや見通しを実現しなくては意味がありません。2番目のステップで見通しとゴールが見えていたならば、その目標を実現するための運営、管理の手段が必要となります。これが目標管理というべきものです。

実践を管理するときに、結果を検証していくことになります。そのためには、実行したものに対して、それを評価して、目標との比較をすることが必要です。実行したものを測定して、それを検証していくことが目標管理だということになります。

実行するためには、それに先立って計画が必要であり、測定するためには、それに先立つ測定基準と測定方法が必要でしょう。さらに検証するためには、測定結果と比較する基準が必要であり、それが各ステップごとの目標ということになります。

マネジメントというのは、考え方の基礎だということです。3つのステップを使って、自分達の活動を適切化する思想だとも言えるでしょう。何度となく訓練することによって、適切な仮説が立てられるようになり、それを実際の活動によって検証していけます。

私たちはさまざまな活動を繰り返し行っています。それをどう考えて、どう行っていくべきか、そのときの指針となるのがマネジメントです。安定的に、訓練するにしたがって、適切な活動に出来るようになる考え方がマネジメントだろうと思います。

 

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