■リーダーへの負荷とトップダウン

1 書きにくかった事例

先日、すこしだけコールセンターのお話を書きました。書いた後になってから、自分では後味がよくなくて、こういうことを書くのはあまりよくないなあと思いかえしていました。簡単な理由です。嘘ではないのですが、きちんと書けない事例だったのです。

コールセンターにお勤めだった人は、自分の経験で補って、話が通じていたようでしたが、実際に状況をご存じない方は、たぶんわかりにくかったと思います。それに現在問題になっていたのは、じつはコールセンターではなくて、もっと深刻な部門でした。

現在進行形のことは書きにくいというよりも、個別企業の案件は書くべきではありませんから、妙なことになりました。ブランド化という概念で説明しようとしたときも、実際に現在進行形ですすんでいる例については、どうにも書きにくいところがあります。

やはり書き方がまずかったのです。もう少しきちんとモデル化した話でないと伝わらないと痛感しました。現在進行形での動きがありながら、まだ報道もされていないことがいくつかあります。その一つが業務の標準化です。これがブランド化に絡んでいます。

 

2 なぜ在宅勤務が可能になるのか

もう少し業務の前提を確認しておいた方がよいかもしれません。いま、在宅でのお仕事が拡大しています。ずっと在宅でやっていけるのか問題になります。自宅でもできる仕事があるとしても、今後、従来通りのままに業務を続けていくのはむずかしいでしょう。

業務は常に変わっていきますから、いつまでも従来通りということは無理があります。そうなると、業務を組み替えていかなくてはなりません。そのときに、現場の発想というのはどうなるのでしょうか。現場が自宅になった場合、どうするのがよいかが問題です。

何人かに話をお聞きしたら、ひとまず従来の仕事をしながら、業務を変えていくということでした。どうやって、変えていくのでしょう。その答えが明確になっていないと、問題の解決になりません。しばし様子見の状態で仕事をしているようにも感じました。

それで、先の話になります。まずは現状の業務がどうなっているのかを把握して、それを整理整頓して、業務の標準化をしたらいかがですかとお話しました。業務を整理して、これをやってくださいと言えないと、在宅の場合、指示を出された方も困ります。

まだ当面は大丈夫でしょうが、ある一定レベルを超えた仕事になると、だんだんまずいことになります。現在、思いのほか皆さんが上手に対応しているのは確かでしょう。在宅勤務と言っても一部が在宅にすぎないのならば、影響は小さなものかもしれません。

 

3 リーダーの問題

割合上手くいっているので様子を見るというリーダーに向けて、先の標準化をお話をあえてしました。理由は簡単です。業務を変えて、指示を明確にするためには現状を把握しなくてはならないし、それが明確になる工夫をする過程で、改善ができますから。

ではこれをどう進めるべきでしょうか。ここが組織の対応に差が出るところかもしれません。かなりの程度、ばらつきのある対応になるだろうと思います。トレンドとしては、だんだんトップダウンになっています。リーダーがこれをやってと指示をするのす。

在宅の業務が拡大したり、会議が減ってきて新しい業務形態になっていますから、こういう機会に、経営をスピード化したいということでしょう。リーダーのトップダウンをすすめていこうということになります。リーダーの実力が試されることになるでしょう。

トップに部門のことがわからない人がやってくると、途端に反動が出てきます。これは以前から、どこでも見られたことでした。こうしたことが少し続くと、同業他社ならすぐに気がつきます。実際、何回か、あそこはもうダメですよと言われたことがありました。

おそろしいことですが、部門のトップに全然状況がわかっていない人が来ても、財務上は上手にやっている場合が多いのです。外からは好調と言われている時期に、もうあそこは怖くないですと何度か言われました。たしかにその後も、当分好調なのです。

1年後になっても、まだ好調という報道がなされているかもしれませんが、3年もすると、競争力の差が明確になって、好調と言われなくなります。知る人ぞ知る会社だったところが、知らないうちに陳腐化していきます。これはリーダーの問題だと思うのです。

 

 

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