■ブランド化の傾向について: その2


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4 二つの標準化の方法

ブランドと標準化ということを考えるとき、二つのことに気づきます。まず、自分達のブランドの価値を守るために、あるルールにそって業務を作っていくという動きがあります。もう一つは、自分達が譲れない最低レベルのクリアということです。

一つ目のものも、二つ目のものも、基礎のところは同じ思想かもしれません。ともに何かを中核にして、自分達をアピールする手法とは別のものだということです。何かを核にするためにはロゴを作ってみたり、キャッチフレーズを作ってみたりします。

そうした中核作りは、イメージの明確性につながりますし、大切でしょう。しかし、それだけでは、ブランドにはならない気がするのです。中核に加えて総合する作用が必要不可欠だろうと思います。中核作りだけでは一発勝負に留まるはずです。

そうなると、全体をある価値観にそって統合する方法と、ある基準で線引きして、それ以上のものに絞り込む、粒よりの方法がでてくることになるでしょう。この二つは、かなり基本的な方法でありながら、全体を統一していく難易度の高いものだと思います。

 

5 全体としてのイメージ

業務をある価値観に基づいて作り上げることは、受け取る側からすると、明確な核がありませんから、何となくのイメージになります。その何となくというものが、お客様にとって価値あるものだということが重要です。その価値にしたがって、業務を考えます。

その組織で何を大切にしているのかが分かるように、全体の統一性を考えて業務が組み立てられている場合には、やはり何ごとかを感じさせます。速さ、効率性だけにとどまらない別の価値が、顧客に支持されているお店を見ると、不思議なくらいわかるのです。

モノを販売している場合、その商品自体が何ものかをアピールしています。そしてそのモノを扱う人たちの行動様式に、それにふさわしい何ものかを感じとることがあるはずです。全体としてのこだわりのようなものがあるように感じます。

それを生み出した人との協調性のあるふるまいがブランド化につながる気がします。小さくても、すこし入り込んだところにあっても人が並んでいるお店があります。やはりそこにある種の雰囲気があるのです。自然発生的に見えながら、やはり違います。

業務の設計をするときに、全体としてのイメージを作って、こうありたいという目的を設定し、それを具体化する手続きやルールを決めていく。こうしたことは、成功事例を観察をするうちに、意識的に構築するが可能なのだという確信をもちました。

じつは、それがブランドの基盤にあると思いました。ブランドには標準化が不可欠だと感じるのは、そのためです。何かに焦点を定めてアピールするのよりも、ずっと難易度の高いものに違いありませんが、イメージが明確なら可能なことだろうと思います。

 

6 基本を守る少数派

町のそして街の知る人ぞ知る店は、たぶん譲れない最低レベルを設定して、それをクリアしていくうちに、ブランド化していった気がしています。これはまだよくわかっていません。おそらくモノやサービスを提供する人たちの、誇りの表れと感じられるのです。

文書に載せた図を見れば、その文書の質が見えるというのは、こちらの基準にあたるでしょう。特別なことではありませんが、あたりまえのことをきっちり守り続けていると、やはりある印象を与えます。ここは安心だという感じ、信頼というべきものです。

きちんとルールに基づいて作図している文書なら、示された図表に対する安心感や信頼感が感じ取れます。こうした基本を重視することは地味に見えますが、かなり効果がある方法なのでしょう。基本となるルールを踏み外した図がないというのは少数派です。

国の機関が提供する図表を見てみると、今世紀に入ってから混乱が生じてきていました。基本のルールにそっていない作図を見つけるのは、そうむずかしいことではありません。幸いなことに、ここ数年でよくなってはいますが、まだおかしいものはあります。

基本を守るということは、思った以上に大変なことなのかもしれません。例外なく守るためには、やはり方法やルールを意識して実践する過程が必要になります。それを身につけるためには、それなりの時間と労力が求められることは言うまでもありません。

 

 

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