■ブランド化の傾向について

1 行列のできるお店

街の様子をときどき観察しています。この時期ですから、お店を見ると、人がまばらなところが多いのは仕方ありません。しかしそういうお店だけではないことも、皆さんお気づきでしょう。行列が出来ているお店がいくつかあります。

行列のできているお店が、一般に有名店であるとは限りません。しかし定点観測のように、いくつかのお店を見ている人ならば気がつくことがあるはずです。コロナの問題が出てくる前からにぎわっていたお店です。コロナのあと、お客さんが戻ってきただけです。

特別なことが起こったのではなくて、元に戻っただけなのでしょう。有名店ではなくても、その地域では知る人ぞ知るお店があります。系列店があるわけでもないですし、一般の人はあまり知らないかもしれないお店です。いまそういうお店を観察しています。

町の、あるいは街のブランド店だといえるかもしれません。ブランドという言い方は微妙なニュアンスがあって、明確な概念ではありませんが、ブランド化しているように感じました。もっと明確な言葉にできるようにしたいと思っています。

 

2 ブランドの基礎となる標準化

ブランドと呼ぶ場合、対象となるものが、世の中の人にとって認められた一流のもの、特別な支持のあるものということになるでしょう。どこかお気に入りのところがあるものだということになります。提供される方からすると、そんな感じのする対象物です。

問題は提供する側が、ブランドをどう作るかということになります。簡単ではありませんし、まだ十分にわかっているものではないはずです。わかったからといって、簡単にブランドが作れはしないでしょう。いくつかの補助線が引かれるのみだと思います。

業務に関して言えば、ブランドというのは、ある種の傾向をもっています。意外に聞こえるかもしれませんが、ブランドを提供する側は、一定レベルまで業務を標準化するようにしているものです。ブランドのイメージを確立するために必要になります。

ブランドがしばしばロゴを使用するのも、統一したイメージの核を作るためでしょう。何店舗もあるお店の場合、ブランド化するためには、お店のイメージを共通化することが必要になります。ブランドというときに、個性とともに標準化が不可欠です。

販売の方法が対応する人によって、大きく違った場合、そのお店の販売方法は、ブランド化を目指すものとは違う方向に行くことになります。自由なところが必要なはずですが、何らかの共通ルールがある中での自由さが必要だということです。

 

3 図表のセンスとブランド

今月はじめ、幸いなことに図解に関する研修講義が予定通り実施されました。講義の冒頭で、二つのことが必要とされるとお話します。一つはどんな図がよい図であるのか、そのセンスが必要だということ、もう一つは、その図が必要かどうか判断できることです。

このとき判断基準をいくつか示すことにしています。図を描くとき、表を作るときにも、標準的なルールが存在します。いくつかのルールを学び、それらを意識することによって、よい図かどうか簡単に判断できるようになるものです。

事例を見ていただいて、これはどうですかという質問をしていけば、たいていの人が、だんだん気がつくようになります。それはすでに私たちが感じているところがあるからです。そうした感覚を意識してみると、気がつくことがたくさん出てきます。

私たちは知らないうちに、これはいいとか、これはいま一歩とか、判断しているのです。例えば、日本語でない言語で書かれていて、全く内容がわからない文書があったとします。このとき、その文書がどんなレベルのものか、判断することは不可能でしょうか。

その文書の中に、図表がいくつかあったとしたら、その図表のセンスから、ある程度その文書の内容が推測できるだろうと思います。実際、思い当たるはずです。何人かの人たちから、自分の経験をお聞きすることができました。知らずにチェックしているのです。

文書の図表をきちんと作ることも、ブランドにつながるように思います。まだ少し飛躍がありますから、説明が必要かもしれません。ブランドという概念を、すこし別の観点から見直してみるのも意味があるのではないかと思いだしているのです。

 

 

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