■OJT・教育用マニュアル講座を終えて:目標管理の方法 その2

1 OJTや教育用マニュアルの効果

OJT・教育用マニュアルという名前はまだ定着していません。今後もすぐに定着することはないだろうと思います。OJT用のマニュアルを作っている組織でも、そのことをあまり語りません。人から聞かれなければ、あえて人に知らせる必要もないでしょう。

いま現在、一番効果をあげているマニュアルはOJT・教育用のマニュアルだといってもよいと思います。何となくそのことに気づいている人たちがいます。そういう方々のための実践の講座でした。実践というのは、講座内でマニュアルが作れてしまうからです。

今回は異例な状況でした。新型コロナウイルスの影響で申し込みがある時点から止まってしまったようです。会社がセミナー参加の自粛をはじめたとのこと。当日もお二人が急に不参加になりましたが、幸い講座が成立しました。ご参加の方々に感謝しています。

 

2 仮説の検証に必要な目標管理

業務は常に変わっています。新しい仕組みで働いていく必要があります。新しい仕組みの場合、いわば仮説の段階にあります。実践してみないことには不安定です。実践して、その結果を見ながら改善していくことになります。そのときOJTが必要になるでしょう。

業務マニュアルに記述する前の検証作業ですから、手探りの部分が多くなることは仕方ありません。しかし、マネジメントの原則にそって仕組みを作っていくこと、そのときマーケティングの原則をも組合わせながらモデルを作っていくことが必要になります。

これは、検証可能な形式をもった仮説モデルを作るということです。言い換えれば、目標管理ができる形式になっていることが条件だということになります。仮説を作るときに、実行、測定、検証ができる形式をもった仕組みであることが必要だということです。

 

3 目的は生産性の向上

OJTや教育を実施する最大の目的は、生産性をあげるということです。生産性を上げるためには、学習する組織であることが条件になります。学習する組織とは、学ぶ組織であるとともに、教えることが出来る組織です。これはドラッカーも指摘しています。

自分で実行できるということと、それを教えることでは大きな違いがあります。学べる形式にできなくては、効率的に学習することが出来ません。ドラッカーは学べる形式にすることを体系化と言っていました。ビジネスのコンテンツにすることが必要です。

最初から洗練された学習方法を確立することは、ほとんど不可能ですし、その必要もありません。手探りで改善しくことが現実的です。そのため目標管理の形式に合致するように、体系化していくことが条件になります。生産性を上げるための学習が必要です。

▼第1に、あらゆることについてたえざる改善を行わなければならない。第2に、すでに成功しているものについてその新しい適用の方法を開発しなければならない。第3に、イノベーションの方法を学ばなければならない。イノベーションは体系的なプロセスとして組織できる。そのように組織化しなければならない。 『ドラッカー経営論集』

具体的にどうすればよいのかということを考えるとき、どういう学習の仕組みを作るべきかが問題になってきます。最初は小さなOJTや教育のプログラムを作りながら練習していけば効果的です。OJT・教育用マニュアルの作成は一番本質的な練習になります。

 

This entry was posted in マネジメント. Bookmark the permalink.