■目標管理の方法 その1:マネジメントの基礎

1 目的と目標の違い

目標管理の基本的な方法は、意外に知られていません。多くの場合、目標がいきなり出てきますが、それに先立って目的が決められるのがビジネスです。目的について、ミッションという言い方もしますし、それをフィロソフィという言い方もされます。

目的と目標の一番の違いは何でしょうか。お聞きしてみると、案外わからない人がたくさんいます。目的は主観的なものです。こうしたい、こうすべきだということですから、客観的ではありません。一方、目標は客観的な基準になっていないと困ります。

目的を具体的な目標に落とし込んでくることは、簡単ではないでしょう。達成の値を決めるためには、何をどうしたらよいのかについて、ルールとプロセスの大枠が決まっている必要があります。つまり戦略ができてないと、目標の数字が出てこないのです。

 

2 実行と測定と目標

目標の数字を示すとき、どんな数値で示したらよいのでしょうか。どんな基準を使うのかが問題です。ビジネスの場合、たいてい利益や売り上げ目標の数値が示されますが、それだけでは状況の把握が十分にはできません。複数の測定基準が必要になります。

健康診断のときに、血液検査の数値項目がたくさんでてきます。一つの項目だけで、健康かどうかを決めるのは危険です。複数の測定値が必要になるのは当然のことでしょう。同時に、どの項目がどれくらい重要であるかを把握しておくことが求められます。

ビジネスの場合、実行をしたら、その測定をして、その結果を目標値と比較することで、状況を検証することになります。何を目標とするのか、その測定法はどうするのか、求められる測定値はいくつか、これらがあってこそ、検証がなされることになります。

 

3 PDCAについて

目標管理とは少し違った概念にPDCAがあります。PDCAというのは、plan・do・check・actionの略です。最後のactionだけが名詞で、その前の3つが動詞ですから、actに変更しているケースもあります。PDCAがうまく回っているケースもあるでしょう。

デミングセミナーの水野滋が考案したといわれるこの和製英語は、デミングをも困惑させたようです。checkがストップを意味することになるからのとのことでした。PDCAをうまく使いこなすには、組織が各項目をきちんと定義しておくことが求められるのです。

もう一度、基本となる目標管理の方法を検討すべきだと思います。PDCAの場合、従来の仕事のルールやプロセスなどの基本的な方法が大きく変わらないときに、有効なことが多いようです。しかしあえて今から新たに導入する必要があるとは思えないのです。

 

 

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