■人事と現場の乖離:人の評価の仕組み

 

1 現場でほしがる飛び抜けた人材

業務マニュアルの講義がまた今月あります。何度か講義中に言及しておいたお話がありました。何人もの現場のリーダーが語っていることですが、現場でほしい人材を人事が採ってくれないというよくある話です。何でこんなバカげたことになるのでしょうか。

誰が優れた人物であるかを判断するとき、人事の担当者と現場で情報を共有する仕組みが必要になります。インターンシップやバイトなどで、他を圧倒する人がいた場合、チェックするのは当然のことですし、その人にエントリーしてもらえる工夫が必要です。

インターンシップで跳び抜けた力を見せた人の場合,採用の条件次第ではありますが、その会社にエントリーする可能性が高くなります。しかし業界でブランドのある会社の場合、エントリーする人がたくさんいるために、飛び抜けた人のことを忘れがちです。

圧倒的にできる学生の場合、これはもう同級生なら感じ取っていますし、インターンシップに参加した人たちも気づきます。当然、現場のプロならば見逃すはずはありません。眼を細めて、その子たちを称賛しているでしょう。優先的に採用すればいいだけなのです。

 

2 失敗した現場の巻き返し

今年の就職状況がどうなるのかまだわかりませんが、現段階では厳しいかもしれません。特別なブランドの学校なら別でしょうが、普通の学生なら何となく感じているはずです。いいなあと思う会社に先輩が入れたけれども、今年は全滅だという例がすでにあります。

有名な会社には学生が殺到する傾向があるようです。エントリーシートのダウンロードが3万件を超える会社もめずらしくないとのこと。そうした会社の中には、今年すでに失敗をしているところも出てきています。会社の人事制度が失敗しているのです。

ここ数年で例のないの圧倒的な学生がいました。アルバイトでもインターンシップでも、現場から絶賛され、職場のトップから絶対うちに来てほしいとお願いされていたようでした。ところが人事担当がこの学生を落としたのです。社内で大騒ぎになりました。

現場がさすがにこの子だけはと巻き返して、これは異例中の異例のことでしたが、当人にもう一度面接をするから来てほしいということになったようです。しかし今度は学生から、私だけ特別扱いされて内定をもらってもうれしくありませんと拒絶されました。

 

3 業界トップ企業の油断

飛び抜けた学生というのは、おそるべき美意識にそって行動することがあります。人事と現場が情報共有する仕組みを最初から組み込んでおけば、何ら問題なかったのです。先の学生も当てがあるわけではないのに、事実上の内定に対して感謝しながら断りました。

業界トップで、何万人もの学生がエントリーする会社の油断でしょう。特別扱いを喜ぶと思っていた会社が、学生から会社の仕組みがダメですと指摘された格好です。この話の経緯を聞いていた先輩も、断るべきだと考えていました。この人も飛び抜けた人です。

クールジャパンとあえて言う人たちと違って、生まれたときから自分にとって美しいものをいくらでも選択できる時代に育った若者たちには、特別な美意識があります。圧倒的に出来る学生は、何らかの点で「当たり前」を超える美意識を見せるのが普通です。

先の例でもずいぶん前から特別な能力の噂は聞こえていました。現場で嘆いている話も伝わってきています。ところが人事の仕組みを変える話はまだ出ていないそうです。この会社は昨年も人選に失敗しています。業績がふるわないのも仕方ないことかもしれません。

 

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