■無理をしないで成果を上げる:社内教育の方法 その3

 

1 問題の選定が腕の見せどころ

筆記テストが他学科よりも15%高いというのが気になった人がいたようです。もう少し具体的な方法をお話することにします。今年は20%高くなるかもしれません。効果は上がっているようです。指導する側にとっても勉強になりますが、手間はかかります。

まず計算問題ならば、出る可能性の高い分野の良問をあちこちから探してきて、それに修正を加えて問題にしていきます。問題の選定が腕の見せどころです。たくさんの問題をチェックして良問を選択した標準テキストと、各種のテキストを作ります。

厳選した問題を完全に理解してもらうには、個別対応が必要です。しかし講師が一人一人に教える時間はありませんので、わかった人が教える形式をとります。教えることで理解が進みますから、教える側も損はしません。誰に教え・誰から教わるかは自由にします。

 

2 機会あるごとに戦略を説明

授業中に、筆記試験合格の戦略を機会あるごとに説明することも大切です。厳選した問題を全部マスターすべき理由が理解できます。ガラスが曇っていたら、外が見えません。見るためには窓を拭くはずです。全部でなくて中心の一定領域を拭けば十分になります。

見通しの立つ一定領域に当たる問題数が30題強です。これを満点にすれば、筆記試験で落ちなくなります。一度できたくらいでは役に立ちません。同一問題を(類題ではなく!)5回・6回とやって、問題を見たらすぐに解答できるレベルにするのです。

限定した問題をマスターしてしまうと、できる問題とわからない問題の判断がすぐにつくようになります。指定されたテキストを順番に進めると、問題数が100題を超えて、反復回数が足らなくなるのが普通です。生半可な理解のままではノイズでしかありません。

レベルの高い問題を厳選して、それを反復することで、多くの人が9割を超える点数をとるようになります。前期の問題を後期にもやり、さらに筆記試験のときまで講義のプリントだけを反復していきますから、講義後も実力低下はまず起こりません。

 

3 「誰に対して、何を、どのように教えるか」

できる人は、最初から厳選した問題の6~7割できますから、すぐに満点を取るようになります。分野ごとに、最初からクリアしてしまう人がいますので、別のテキストをしてもらい、出来た人に標準的な解答を渡します。たいてい手書きしたもののコピーです。

できる人は、わからない問題でも、解答があれば心配いりません。テキストは選択式にして、自分がやりたいものだけやればよいことにします。全部やれば100題になりますが、厳選問題をクリアしたら、そのまま読解やレポート書きの練習に進むことも可能です。

合格十分のレベルを突破したら、読み書きにエネルギーを使ったほうが効果的でしょう。読み書きは、就職してからも役に立ちます。要約練習、読解問題、レポート作りの解説書など、複数のテキストが必要ですから講師への負荷もありますが、効果は圧倒的です。

社内で新しい分野を勉強する場合、学生時代にやった勉強の仕方が参考になります。どういう方法でマスターしていくのか、教える側が方針を決めることが必要です。「誰に対して、何を、どのように教えるか」を詰めてから、教育を実施すれば効果は上がります。

⇒ [無理をしないで成果を上げる:社内教育の方法 その1

⇒ [無理をしないで成果を上げる:社内教育の方法 その2

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