■文章の構成メモ作り:文書作成講座から

 

1 文書を読みやすくする2つのこと

文書講座を久しぶりに行いました。今回少人数でしたので、情報量を3割近く減らしました。ここが大切ですというところを中心にお話しました。一言でいうとビジネス文書はマネジメントと別のものではないというお話です。当たり前すぎる内容だと思います。

ビジネスで大切なのは実質的な価値とスピードです。文書作成も実質的な内容と読み書きのスピードが大切です。成果は読んでもらえる文書作り…ということになります。当たり前のことを行うために、文書の作り方を確認しましょうというのが講座の狙いでした。

読みやすい文書にするために、効果のあることが2つあります。一つは結論を先に書くということです。これはしばしば言われることでしょう。もう一つは見出しをつけるということです。見出しが内容の案内になります。見出しがあると読みやすくなります。

 

2 社説をつかった文書作成練習

A4一枚の文書を作るとき、一番効果のあるのは新聞の社説を使った練習だと思います。社説はだいたい1000文字からなります。ちょうどA4一枚に入る分量です。社説がどのくらいの情報量からなるものなのか、どういう構成になっているのかを参考にします。

最初にすべきことは、ブロック分けです。おおくの社説は3つの部分からなります。はじめに結論部分があって、次にポイントを指摘する部分、最後がまとめや指針を与える部分です。これらのブロック分けは、練習すればすぐにできるようになります。

ここまでできたら次に、ブロックごとに見出しをつけます。内容を示すキーワードが入っていれば、それほど形式にこだわる必要はありません。問題になるのは見出しの文字数でしょう。わかりやすい見出しにするには、長くても20字以下のものにすべきです。

 

3 先に文書の構成を固めること

実際の社説を読むと見出しがついていませんし、ブロック分けもしてありません。それらを消した形式だろうと思います。事前に構成メモを作った上で、社説を書いていったはずです。社説から構成メモを作ってみると、逆にそのことを感じることになります。

ほぼすべての社説が簡単にブロック分けできる形式になっているはずです。私たちは、このように構成を考えてから報告書などの文書を作っているでしょうか。書いているうちに何となく着地するのではなくて、先に構成を固めてから書くということが必要です。

法律学の論文問題の答案を書くとき、答案構成をするのが原則になっています。同じように、ビジネス文書を書くとき構成を作ってから書かないと記述が不安定になります。時間も余分にかかります。結論がないのに書き出すというのは避けなくてはなりません。

(1)書くべき内容を書き出して、(2)その中からこれはぜひ入れたいというものを選び、(3)選んだものを並べていきます。並べながら不足する情報の補強や不要部分の削除が行われることになります。構成メモを作ってから書くというのが講義のポイントでした。

 

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