■報告書の形式:マネジメントに必要な情報

 

1 マネジメントに必要な情報

ビジネス文書をどう書いたらよいのか、基本を忘れてしまうことがあります。もともとビジネス文書の目的は、マネジメントに必要な情報の伝達にあります。したがって、ビジネス文書の内容は、マネジメントに必要な情報は何かという点から決まります。

報告書の形式を考えてみましょう。報告書のおもな目的は、目標管理のために必要な情報を報告することにあります。逆に言えば、目標管理をするためのマネジメントが整備されているかどうかが、一番の基礎にあります。

きちんとした報告書があがってこないという場合、目標管理の体制ができているのかを確認してみる方がよいでしょう。目標が設定されているなら、進むべきゴールが提示され、そこにいたるルートが示されるはずです。これがなくては目標になりません。

 

2 目標管理のツール

目標を設定したら、目標管理をするために、成果の基準とそれを測る尺度が必要になります。ゴールにいたるまでの段階的な基準を目標値として示すのが一般的です。こうした目標の設定と管理の体系が必要となります。

目標管理の体系は、(1)目標を達成するための手段の明示に基づく「実行」、(2)実行を測定する成果基準の明示に基づく結果の「測定」、(3)測定結果を評価するための目標値の明示に基づく結果との「比較」…という各過程をたどります。

報告書は、(1)~(3)までの「実行⇒測定⇒比較」がわかるように記述する必要があります。目標値と実績とを「比較」して、「改善」すべき点があれば、それが改善のための提案書になります。改善提案書も、目標管理のために必要な管理ツールです。

 

3 報告書に必要な内容

ビジネスでの情報伝達は、主に文書を通じて行います。文書の形式にまとめることによって、正確な伝達が可能になります。文章形式に情報が固定化されますから、複製できますし、反復して利用できます。それを検証し、検討することが可能になります。

報告書に記述すべきことは、(1)実行のTPO、(2)実行内容が測定できる形式の記述、(3)目標値と実行の乖離の確認と問題点の指摘…が中心になります。報告書の文書形式は各組織ごとに違ってもかまいませんが、これらの要素が必要です。

ビジネス文書は、マネジメントに必要な情報伝達の道具ですから、マネジメントの体系の整備が前提となります。ビジネス文書から現実が見えなくなってきたと感じたなら、マネジメントの体系を確認する必要があるということです。

 

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