■再び経営とシンプル:業務マニュアルの視点から

1 シンプルとスピード

経営をシンプルにすることを強調していた社長さんが狙っていたことは、判断の明確性を確保することにあったようです。判断を間違わないだけの明確な問題であるなら、即断即決が可能であるということです。スピード経営といわれるものの実体かもしれません。

業務マニュアルをその視点から見ると、経営が見えてきます。上から下まで、グランドデザインができている場合、シンプルな形式の業務形態になります。実体は、複雑ですが、現場での行動は、指針をもとに、現場で考える形式が取れらています。

現場にちかい知識は、現場の人がもっています。その場の知識… on the spot の知識の重要性を、1945年の「社会における知識の利用」で、ハイエクが主張しています。労働の分業に対して、知識の分割を主張したものでした。

 

2 トップダウンとボトムアップ

「ビジョンはトップダウン、アクションはボトムアップ」と、しばしば言われます。全体像を考えるときに、「現場情報」を重視することは前提になります。トップからこまごましたことまで指示出しをしたら、それが十分に活用できません。

大切なことは、現場情報に秩序を与えることです。方向を与えることです。現場の人たちが、そのグループ内でベクトルあわせが出来るようになっていたなら、あとは現場の人たちの中で、すり合わせをしていけば混乱は起きません。

業務マニュアルが、こまごまとした作業手順になっているケースは、気をつけないといけないということになります。上位の方向づけ、指針までをトップダウンで作り、あとはボトムアップでいくのです。現場が作業手順を作るのが原則ということになります。

 

3 MUJIGRAMの成功要因

私のところにまで、無印良品の「MUJIGRAM(ムジグラム)」の真似をしようと思ったけれども、むずかしかったという話が来ます。すばらしい現場の作業手順書を見ると、それをまねしたくなるのはわかります。

もうお分かりだと思いますが、この内容を作ったのは、現場で働く人たちです。それをまとめたのが経営側です。ボトムアップを上手に反映させる仕組みを持っているからこそ、これが成功しています。

現場が勝手に考えているのではありませんし、内容を経営側が考えているのではありません。現場に方向づけをした上で提案を推奨し、その中から経営の視点にたって採用を決め、お墨付きを与えています。

現場の知識を引き出す仕組みを決めておくところまでが、業務マニュアルの領域です。これは経営側が作ります。「MUJIGRAM」は業務マニュアルでなくて、作業手順書です。こちらは現場が内容を考えます。こうしたシンプルな形態が成功要因でしょう。

 

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