■再びノウハウの利用:ノウハウを組み込んだ仕組み

 

1 電子化とノウハウの利用

大手メーカーの方と勉強会を重ねています。先日、社内電子化の取り組みについてお聞きしました。電子化のおかげで、データの保存や必要なものを取り出す点で、圧倒的に有利になったとのことでした。

ところが、そのメンテナンスがむずかしいとのお話がありました。会社が合併したり、再編により組織が大きく変わってから、データの共有が難しくなっていったということです。それでも、苦労して使い続けているようです。

問題は、ノウハウの利用についてでした。電子化によって、文書の墓場が出来た…というのは深刻な問題です。ノウハウをどう利用するかというのは、これまでも、これからも大きな問題です。どう利用すべきか、本気で考えるべきでしょう。

 

2 利用されないノウハウ

たくさんのノウハウが利用されずに埋もれてしまっています。あとになって成功事例を見て、何でそんなことが思いつかなかったのか…と思ってふりかえってみると、すでに報告がなされていたというお話をお聞きになったことがあると思います。

あるいはすでに失敗をしているのに、それをまた繰り返してしまったという事例もよく取り上げられます。畑村洋太郎『失敗学のすすめ』に、自動車メーカーの失敗事例が2万件あったのに、使えなかった事例が紹介されていました。

2万件をデータベースにして、利用できるようにしたのに、実際に利用されずに再び失敗を繰り返しているというお話でした。当該の失敗事例から学んだノウハウがあるのに、同じ失敗をしてしまうのは、なぜなのでしょうか。

先日、[ノウハウの共有について]を書きました。ノウハウが重要なのはわかるけれども、楽器メーカーの例をそのまま導入することは無理だとのご意見をいただきました。あれは映像にあるノウハウの事例です。文書になっているものはもっと楽だと思います。

 

3 ノウハウを組み込んだ仕組み

畑村洋太郎は「知識化」という言い方をしています。使える形式に作り変えないと、生のデータが並んでいても使えない…ということです。畑村のアドバイスは、失敗事例を300以下のパターンにまとめて、どうしたらよいかの対策を立てるというものでした。

その前提として、ノウハウを評価して利用の優先順位をつけることが必要です。ここまで出来たなら、実行できる形に変換することです。そうしないと利用されません。一番あたりまえになされる変換は改善です。ノウハウを組み込んだ仕組みにしてしまうことです。

ノウハウを組み込んだ業務体系にしたなら、自然に利用されることになります。ただ、いつでもそれを使うほどの汎用性がないノウハウなら、ケースごとに、ここにヒントがあります…というふうに利用を呼びかける形式も使えます。

こうしたことを可能にするには、①ノウハウを集める仕組みを作ること、②ノウハウの価値を審査する仕組みを作ること、③ノウハウを利用する仕組み・様式を作ること…です。これらに対して、部門のリーダーの責任において、お墨つきを与える必要があります。

 

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