■アイデアの素材を出す方法

 

1 村上憲郎『シンプル仕事術』

文を組み立てて、ひとつの文書にするには、材料がなくてはなりません。その材料を上手に組み合わせて構造を作ることによって、文書が出来上がります。文書にまとまったものには、機能が備わることになります。

こうしたことからわかるように、ビジネス文書の場合、どういう文書を書くのか、その結論ではなくて、何について書くのかを決めることがポイントになります。これが明確になったなら、多くの場合、材料・素材の良し悪しが勝負を決めることになりそうです。

グーグルの副社長だった村上憲郎は『シンプル仕事術』で、「村上式・アイデア発想術」を紹介しています。ここでの基本思想は、材料をたくさん出して、筋のよいものをつなげていけば、よいアイデアが出るということのようです。

 

2 完結した文で書き出す

村上式の発想術では、思いついたことをどんどん書き出すことを原則としています。そのとき、<単語やキーワードだけを書くのはNG>とのことです。ではどういう形式なのでしょうか。<「○○は××(を)△△する」というのが基本書式>…になります。

<5W1Hがそろっていればベスト>、<少なくとも、主語と述語が明快に存在するひとつの完結した文でなければダメ>…です。<単語でも疑問文でもなく完成した文にすることで、アイデアが実際に実行可能な思索として表現できると考えるからです>。

これは普段のメモから意識しておいたほうがよい原則です。疑問文ではダメなのです。具体的な思いつきであるからこそ、そこから発展します。この本より少し前から、「Aは、(…に)~を-する」の標準形でメモするのがよいと言っていた私にはうれしいことです。

 

3 ブレインストーミングの手法

こうした思いつきを出す方法として、村上は、<猛スピードでドンドン書く><思考を排除して、直感と感覚だけでアウトプットする>と言っています。<人が書いた文を見ることで触発されて、「こんなことも」と、さらに数が増えてきます>…とのこと。

ブレインストーミングの手法でしょう。集団で、どんどん思いつきを出していく手法です。優秀な集団なら可能な方法だろうと思います。ただし、日本ではブレインストーミングはあまり成功していません。私は別の方法を提唱しています。

直感と感覚だけで…というのは、比喩的な言い方でしょう。その場でガンガン思いつきを言い合って一気に決めるのは、何となくアメリカ的な気がします。日本の組織の場合、静かに一人で考える要素があったほうが、よい考えが出てくることが多いようです。

 

4 宿題方式

私は、最初に問題提起をしてもらって、具体的な事例を最初に出してもらったなら、その後は「宿題方式」にしたらどうでしょうかと提案しています。短い期限を決めて、メールで宿題を提出するように、思いつきを出してもらう方法です。

取りまとめ役の人が、最初にサンプル例を出して、こういう感じのものを出してください…とお願いして、期限までに提出してもらいます。期限は1日2日で十分でしょう。長すぎると逆効果になります。それを取りまとめて1回目は終わりです。

次に1回目のまとめをメンバーに送ります。そのまとめが連想を引き起こします。これを見て思い出したものを追記してください…とお願いすると、かなり新たな思いつきが加わってきます。必要に応じて同じことをもう一度すると、また新たな思いつきがでます。

その後、皆で集まってもよいですし、一人で何か思いつきを出そうとするときにも、この方法が使えます。その場では思いつかないことがあるものです。別のことをしている時に、ふと思いつくものの中に、よいものがあったりします。なかなか効果的です。

 

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