■中山敬一の勉強法:「がん:既存薬で転移抑制」の記事

 

1 がん治療の研究成果を報道する記事

失語症の会にかかわりがあったため、病気の情報にときどき反応することがあります。1月3日(2015年)の毎日新聞Web版にあった「がん:既存薬で転移抑制 九大教授ら、マウス実験で確認」という記事に、これはもしかしたら…という印象を持ちました。

文藝春秋2013年8月号の特集「激変する医療」で立花隆と中山敬一が対談しています。「がん治療の『ビッグバン』が始まった」です。中山グループの研究が大きな成果をあげそうだ、ということでした。これが1年半~2年前、さらに進んだということでしょう。

専門家ではありませんので、これ以上、内容に関わりません。2点のみ記したいと思います。一つは、毎日新聞の記事の図解がよくできているということです。もう一つは記事とは別に、中山教授が著書で研究について語っていたことが興味深いということです。

 

2 よくできた図解:毎日新聞2015年1月3日

一つ目の図解について。ご覧いただくとお分かりの通り、文字中心の図解です。図解は要約の一種ですから、ぱっと見て記事の内容がわかるようにする役割が必要です。そうなっています。理解が進まなかったら、どんなにきれいな図解であっても無意味です。

「がんの周囲にがんニッチという移転を助ける正常細胞の集まりが形成⇒その細胞を呼び寄せる信号を出すたんぱく質を特定⇒既存の肝炎治療薬にそのたんぱく質の働きを妨げる効果があることを確認⇒マウスに投与してがん転移を抑えることに成功」となります。

文字が中心となり、その右にがん細胞とがんニッチの模式図が添えられています。これでイメージがわきます。さらに、既存の治療薬の図が添えられていて、よくあるカプセル薬だということがわかります。この図解によって、記事の理解も進みます。

 

3 クリエーターを目指すためには論理が必要

もう一つは、中山敬一『君たちに伝えたい3つのこと』についてです。以前読んだとき、びっくりしました。「仕事には、クリエーターとルーティンワーカーの2種類がある」、クリエーターは1%のみで、臨床医はルーティンワーカーだ…と。めちゃくちゃです。

それだけ要求が厳しいのです。腹をくくって高い目標に進む決断をするように言います。クリエーターになれということです。そのために必要なのは論理性です。論理は、画家におけるデッサン力にあたる…と言います。

では、どうしたらよいか。自分の頭の中に他人を設定して常に対話することによって、論理性が磨かれるとのことです。意外な事実があったときに、それを論理で説明しようとするからアイデアが生まれるのだ…というのはすばらしい洞察だと思います。

普段の勉強では、きちんとノートを作ることが大切だと。研究は一つのストーリーだから、きれいなまとまりが必要なのです。研究過程における論理を大切にするには、しっかり書くことです。「タイトル」と「実験目的」が難しいと、その勘所を指摘しています。

 

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