■業務マニュアルの作り方が大変化している理由

▼2000-2001年の変化

業務マニュアルが大きく変わっています。しかし、ほとんどの方が気づいていません。多くの企業も、その変化に対応していません。勝ち組企業の部門トップ級の方々とお話すると、すぐに伝わりますし、危機感をお持ちなのがよくわかります。

なぜ業務マニュアルが、こんなに急激に変わってきているのでしょうか。当然のことですけれども、ビジネス環境が変わってきているからです。お気づきのはずです。たとえばSWOT分析とか3Cといった分析手法が、あまり使えなくなっているはずです。

SWOT分析でいう強みと機会があるビジネスなど、ほとんどなくなっています。3Cの競合(Competitor)も見えなくなっています。うまくいったら、それまで存在しなかった競争相手が生まれてくる可能性があります。事前に見えません。

こうした傾向は、IT革命が起こった時期から顕著になっています。日本企業の倒産傾向を見ると、2000年-2001年が分岐点だったことがわかります。この時期に創業30年以上の会社の倒産件数と、10年以下の会社の倒産件数が逆転しています。

東京商工リサーチのデータによると、2001年以降、新しい会社の倒産件数のほうが少なくなっています。変化の中に機会を見つける必要が出てきています。業務を変化させなくてはいけないのですが、きっちりした組織ほど、変化に対応しにくくなっています。

 

▼正解が記述できない業務マニュアル

業務マニュアルについての講義やご相談のときに、業務マニュアルと操作マニュアルの違いは何ですか…とお聞きすることがあります。両者の実質的な違いを一言で言うとどうなるでしょうか。

操作マニュアルの場合、操作に正解があります。こうすれば、こうなるという関係が明確です。正解を、いかにわかりやすく記述するかが、操作マニュアル作成のポイントです。一方、業務には正解がありません。正解が記述できないのが業務マニュアルです。

正解がない以上、見直しは必至です。もともと業務マニュアルは、修正せざるを得ない性質を持っています。加えてビジネス環境の急速な変化がやってきました。迅速な修正が必要になります。

したがって、業務マニュアルは、最初から修正しやすい形式で作る必要があります。また、業務の詳細をすべて事前に記述するのも無理があります。業務の指針(基準)と枠組みを与えることが中心になっています。その枠組みさえ、どんどん変化していきます。

 

▼ユニット化が重要

業務マニュアルは、どういう方向に行こうとしているのでしょうか。強い会社では、どんな傾向が見えるでしょうか。言われて見れば、当たり前のことが起こっているだけなのです。すでに類似の変化をご経験だろうと思います。

かつて、きれいにレイアウトされた手紙を送付していたはずです。それが今では、テキストファイル形式の、文字だけのメールになっています。スピードが違いすぎますから、この流れは当然でしょう。

業務マニュアルも文字だけのテキスト形式が原則になりつつあります。こうした形式であっても、使いやすくなくては意味がありません。そこで、工夫が求められます。領域の一単位を規格化することと、領域内を構造化することです。

領域の規格化は、ビジネス文書全般に見られる通りです。多くの組織でA4一枚を標準としているはずです。一単位の粒がそろうと、使いやすくなります。さらに、その領域内を構造化することによって、内容が把握しやすくなります。

まず、領域のテーマ(項目)を示し、その下にシンプルな構造で見出しを並べます。1,2,3の下に、1-1、1-2、その下に(1) (2) …という形式です。この際、「1.1.2」「1.3.2」のように数字3つを並べるのは、わかりにくておすすめできません。

領域を設定し、その中を構造化することを、私はユニット化と呼んでいます。あとは、ユニットの並べ方が大切になります。それはまた今度書きましょう。

(なお、9月16日にJUASで業務マニュアル作成講座を行います。ご興味のある方の参加をお待ちしております。)

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