■一番簡単な文章訓練:文章の活字化

▼おそらく一番簡単な文章訓練

昨日、ノートPCからブログをアップロードしました。いつもプリントアウトして確認するのですが、ノートPCにプリンターのドライバーが入っていないので、プリントアウトせずに、一度読んだだけでアップロードしました。

その後、プリントアウトして読み直してみたら、何箇所か妙な言い方になっていました。何で見落としたのだろうと思います。あまりにひどい部分は修正しました。やはりプリントアウトは必要だと改めて思う出来事でした。

今まで何度か、ちまたの文章講座に行くよりも効果の上がる方法を教えます…などと講座で語ったことがあります。おそらく一番簡単な方法です。自分の文章をプリントアウトして、音読するだけです。何度か繰り返すだけで、レベルアップします。

 

▼活字化の意義

立花隆さんが、ワープロ専用機ができてきたとき、何といい時代になったのか、すばらしい…と絶賛していました。これは講談社のPR雑誌「本」に連載しているときのことでした。活字にすると、内容を客観的に判断することが容易になります。

その連載が『「知」のソフトウェア』という本になったときには、この記述が消えていました。これは残念なことでした。その後、立花さんは、手で書くほうがやっぱり早いと言って、手書きに戻ってしまったのでした。

立花さんの場合、自分の文章が活字になって、自分で客観視する機会がありますから、問題ないのでしょう。しかし一般人にとって、自分の文章が手軽にすぐに活字になるというのは、画期的なことでした。ワープロ以前、文章を活字にするのは大変なことでした。

いまや容易に自分の文章を活字化して印刷できる時代になりました。しかし、この画期的な機能を、十分お使いになっていらっしゃるでしょうか。ペーパーレスというのは、読むときのことです。書くのが圧倒的レベルでない限り、プリントアウトすべきです。

プリントアウトが簡単にできなかった時代は、何度も音読して自分の文章を確認していた方が多かったようです。作家の向田邦子さんは、手書きの原稿を音読していたそうです。一部、録音も残っているとお聞きしたことがあります。

 

▼たまには上司になったつもりで

毎回プリントアウトするなどというのは、現実的ではありませんし、そこまでは不要でしょう。しかし、完全にペーパーレスで済ませるのは危険です。たまにはプリントアウトして、自己チェックをした方がよいと思います。

ここ最近、A4に一枚の文書が標準になってきました。報告書などの場合、プリントアウトすることが、効果をあげます。報告書は、見出しが必要です。見出しがどういうバランスで、どう並んでいるのか、それで全体が見えてしまいます。

安易に並んだ項目は、プリントアウトすると気がつきやすくなります。自分の書いたものは、まだ甘いという前提で、チェックする必要があります。他人の目は厳しいですね。岡目八目とも言いますし。

自分の報告書を受け取った側は、ひと目でまとまっているかどうか、わかるはずです。提出する方は、たまには一番厳しい意地の悪い上司になったつもりで、自分の文書を読んでみたらいかがでしょうか。紙で読むと、アラが目立ちやすくなりますから。

もちろん、たまには…です。あまり何度も厳しくやりすぎると、書くのがつらくなってしまいます。適度に、が大切ですね。

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