3. ユニット化と構造化の優位性

3-1 ユニット化
業務マニュアルは、通読されるものではありません。必要な項目を参照したら、すぐに業務に戻っていきます。早く必要項目が見つけられて、早く理解できることがよいという価値が前提になっています。作成する側も早く作成できること、作成あるいは改定の負担が少ないものがよいという価値観があります。

お互いの価値基準は矛盾するものではありません。ユニット化という方法で解決がかなり容易になります。一項目の領域を設定してしまうということです。一項目は、原則として一領域内に収まるように記述するのです。この一領域をユニットと私は呼んでいます。

最近は、報告書をA4に1枚でまとめるということが定型化してきています。一種のユニット化です。こうした傾向が進むのは、自然なことだろうと思います。内容に基づいて文書の形式を決めるのは無理があります。

3-2 記述の構造化
ユニット化された項目を見やすくするのは、構造化です。あまり広すぎない領域内を構造化するのは、そんなに難しいことではありません。1. 2. という大きな項目を立て、その下に(1) (2) という項目を立てます。その下の階層を加えた3段の階層構造を原則と考えます。3段までの階層なら混乱しにくいのです。

項目を表す数字の横に見出しをつけることで、内容が把握しやすくなります。1と2の見出しなら、それが同列の内容になるようにします。(1) (2) なら、同列の内容になるように概念をそろえます。こうすることで見る方もわかりやすくなりますし、文書を作成する方も、概念の階層が見えてきて、慣れてくると楽になります。

3-3 ユニットの構成法
ユニット化した各項目は、上手に並べる必要があります。部・編・章・節・項という縦構造を原則3階層に絞って全体を構成します。3つの階層の構成の仕方には、注意が必要です。

一番上の階層では、なるべく分類される数を減らすことです。具体的には4以下にできたらわかりやすいと思います。その次の階層も、同じようになるべく数を減らすようにします。こうした工夫をすると、一番下の階層には、たくさんの項目が並ぶことになります。これが狙いです。

私たちは、たくさんの引き出しを見せられて、このどこかに必要なものが入っていると言われると、立ちすくみます。大きな引き出しであっても、この中に確実に入っているならば、探す気にもなります。大きな引き出しの中に、同列項目が一覧で並んでいたら、そこから必要項目を見つけるのは容易でしょう。人間は、同列項目から必要なものを見つけるのは得意なのです。

ユニット化した場合、改定も容易になります。不要な項目をはずし、必要項目を付加する際に、各項目が独立しているため、全体への影響が少なくてすみます。

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