■日本語文法書の忘れ物

     

1 日本語の基礎要素

定番の日本語文法のテキストというのは、まだはっきりしたものはないようです。定番ではなくても、ひろく読まれている本として『基礎日本語文法』があります。参考になるところが多々ある本です。この本を見てみると、日本語文法の忘れ物も分かってきます。

「序論:文の組み立て」の「2節 文について:文の基本構造」を見てみましょう。ここには日本語の文の基本要素が列記されています。主語・述語、あるいは目的語などの用語がありますが、この基礎の部分をどう考えるかが大切です。

▼文の組み立ては、複雑かつ多様なものであるが、その骨格をなすものは、「述語」、「補足語」、「修飾語」、「主題」という4つの要素である。 p.2『基礎日本語文法-改訂版-』

     

2 主語概念を抹消した通説

日本語文法について、通説的な見解によれば、もはや「主語」という概念が使われなくなっています。「主語-述語」の関係は、日本語の基本構造とみなされなくなったということです。主語は「補足語」に含まれています。特別扱いでなくなったのです。

かわりに「主題」という概念が登場してきました。主題に対する解説がなされているということのようです。ただ、解説部分=「述語」とはなっていません。「述語」の概念が明確になっているかと言えば、一般人の基準で考えるなら、あやしいままです。

まだ日本語の文法は確立していないと感じさせる点があります。主要要素だけで、日本語のセンテンスが分析できなくては不十分だということです。『基礎日本語文法』は最初の版が1989年に出されていて、1992年の改訂版でも基本要素は踏襲されています。

      

3 文の基礎要素の不備

1981年に出版された北原保雄『日本語の世界6 日本語の文法』に示された宿題を、『基礎日本語文法』が解決しているのか確認してみましょう。北原は、「花子が、本を読みながら、おやつを食べている」という例文を出していました。

▼この例の場合、「ながら」が下接添加しているのは、「本を読む」にであって、「花子が」は「~ながら」のなかには含められないと解釈される。つまり、本を読んでいるのは確かに花子であるが、構文上は、「花子が」は「おやつを食べている」と関係していると解釈される。 p.97『日本語の世界6 日本語の文法』

北原は[「花子が」が「本を」と同等同列に「読む」と関係するものではなく、関係する次元を異にするものである]と記しています。こういう構文を分析することができていません。『基礎日本語文法』の基本要素からも、「ながら」の分析ができないのです。

こうした基礎要素によって、ありふれた構文が分析できるようにならなくては困ります。こんなことは簡単なことだと思っていましたが、日本語文法の本を読んでみても、うまく説明できていません。まだまだ日本語文法学界には忘れ物があるようです。

      

カテゴリー: 未分類 | コメントする

■業務マニュアルを活かすために工夫すべきこと

      

1 新しい事業所での実験

いま新しい業務マニュアルを作っているリーダーがいます。来期から新しい事業所を開設するためです。リーダーに選ばれた人に一任ということでした。現在行っている業務をそのまま行うのではなくて、小さな事業所を実験場にするつもりのようです。

業務マニュアルというのはきちんと作れば、成果が必ず出ます。前回記したように、成功した業務マニュアルは成果が上がるものです。成果が上がらなかったらまだ成功していません。だから成果が上がるように直していくことになります。

今回は新設の組織ですから、その業務に従事したことのない人たちが採用になる予定です。少人数で始めるにしても、いきなり成果をあげていくのはそう簡単ではありません。段階を踏んで、仕事を覚えてもらうことになります。

      

2 必要な業務のマニュアル化

リーダーがまず行わなくてはならないのは、必要な業務のマニュアル化をすることです。これを年内に終える予定でいます。その次に、仕事を習得するまでの複数のステップを作り、いつまでに習得すべきかを決め、その習得方法を考えるなくてはなりません。

こうやって何段階かのステップを用意しておくことは効果的です。自分がどこまで達成できたのかわかりやすいですし、次にどこまで進むべきかがわかるようになります。ステップを作る方法は、仕事をゼロから習得してもらう場合、とても有効な方法です。

こうやってステップを進んでいくときにビジョンが必要になります。どういう姿になったらよいのか、それを明確にしておくことによって、方向が示されることになるのです。ビジョンは、自社側の目標と顧客側の満足度をバランスさせて作り上げていきます。

     

3 業務周辺の整備

業務マニュアルをどう使うかによって、ずいぶん準備が違ってきます。業務それ自体のマニュアルと連携させる必要のある事項はたくさんあります。例えば業務に関連する業界の事情が分かっていないと困る場合があります。

こういう場合、業界の常識と現状を理解してもらうことが不可欠です。資料を作り、研修をしておかなくてはなりません。それが業務に関連して、どう活かされるのか、具体的にわかる工夫が必要です。知識ゼロの人に教える場合、シンプルさが大切になります。

しばしば行う方法は、不可欠な内容を何カ条かにまとめることです。箇条書きでまとめると、研修が活きてくることがよくあります。成果をあげるためには、本来の業務に関するマニュアルだけでなくて、その周辺の整備が必要になるということです。

      

カテゴリー: 未分類 | コメントする

■業務マニュアルの成功と失敗の基準

       

1 改定が不可欠

業務マニュアルというのは、業務があって、それを基礎に記述するのが一般的です。まだ仕事をしていない場合には、こうすればいいねという業務のあり方を書いていくことになります。当然、想定していないことがおきますから、改定が必要です。

今ある業務をそのまま記述しようとすると、あまり効率的でないところが目についてきます。現在の業務を記述するということは、現状の仕事の仕組みのまずさを感じ取る作業にもなります。いま完璧な仕事をしていますなどという組織などありません。

それだけでなくて、全員が全く同じ仕事の仕方をしていませんから、どこまでを記述するのかという記述の度合いも問題になります。また、どういう記述の仕方をとるかによって、記述の分量が変わってくることも、作成してみれば身に染みることでしょう。

      

2 業務の「見える化」作業

業務マニュアルがなくても業務の姿が描けれいるのならば、実質的な業務の仕組みがあると言えます。それを記述すれば業務マニュアルになることは確かです。ところが、記述することによって、業務の仕組みが見えてきます。いわゆる「見える化」です。

見えてくれば、おかしいのに気づきます。これが業務マニュアルを作成することの効果というべきものです。そうなると、業務マニュアルがよいモノかどうかも、簡単に判定できるということになります。業務マニュアルが成功していれば、成果が上がるのです。

業務マニュアルを作ろうとして、記述することによって、業務が見えてくるようになります。そうすると、おかしな点に気がついて、そこを直して、実践してみるのです。しかし思ったように行かないのがふつうですから、記述を改訂していかなくてはなりません。

      

3 シンプル化の意識

業務マニュアルの価値は、標準化した仕組みにあります。内容が実践しやすい形になっていれば、成果が上がります。したがって業務マニュアルの評価をする場合、そのマニュアルを使ったら成果が上がったとなれば、よいマニュアルだということです。

そこから当然のように出てくることがあります。人は、マニュアル通りに行動するのが苦手です。そんなに簡単に決まりを守れません。限度があるのです。シンプルな仕組みでなかったら、成果が上がらないのです。シンプルな記述にする必要があります。

マニュアルは薄くなくてはいけないということです。意識しなくては、シンプルな仕組みになりません。シンプル化の意識なく改善をしていくと、だんだんマニュアルは厚くなります。それではいけません。シンプルにする作業が不可欠だということです。

        

カテゴリー: 未分類 | コメントする

■漢文に文法がないということ:岡田英弘『漢字とは何か』から

     

1 日本語の成立と漢文

日本語の成立にとって漢文は重要な役割を果たしました。こうした歴史的な経緯を見たうえで、日本語を考えていかないと、おかしなことになります。岡田英弘は重要な指摘を行ってきました。日本語は、欧米流の文とは違った成立をしています。

▼日本語の散文の開発が遅れた根本の原因は、漢文から出発したからである。漢字には名詞と動詞の区別もなく、語尾変化もないから、字と字の間の論理的な関係を示す方法がない。一定の語順さえないのだから、漢文には文法もないのである。 「日本語は人工的に作られた」『漢字とは何か』 p.314

その後、日本語は[十九世紀になって、文法構造のはっきりしたヨーロッパ語、殊に英語を基礎として、あらためて現代日本語が開発されてから、散文の文体が確立することになった]と記しています(p.314)。実際に変化したのはに二十世紀になってからでした。

     

2 文意を取ってから品詞・語順が定まる漢文

漢文について、岡田は別のところにも書いています。漢字には[名詞の数や格、動詞の態や時称を言い分ける方法がない。いや、それどころか、品詞の区別がもともとない]ということでした(『漢字とは何か』「漢字の正体」p.52)。もう少し説明を聞きましょう。

▼漢字で綴った漢文を外国語に訳すと、同じ漢字を名詞にも、動詞にも、形容詞にも訳せる。品詞の区別がないとすると、文章の中に、最初に主語の名詞が来て、次に動詞が来て、動詞の後に目的語の形容詞や名詞が来るといったような、一定の語順というものがないことになる。つまり、漢文には文法がない。 『漢字とは何か』「漢字の正体」p.52

そうなると、[ベルンハルド・カールグレンというスウェーデンの言語学者が、「漢文は、読む前に全体の意味がわかっていなければ、一つひとつの漢字の意味もわからない」と指摘している](p.52)通りなのかもしれません。これはどういうことでしょうか。

      

3 文法がない漢文の事例

以前、漢文に文法がないという言い方をしたときに、どういう意味かわからないと言われたことがありました。事例を『論語』で見てみましょう。郷党第十08に「食不厭精」の章があります。この中に「酒無量不及乱」とあるのは、どういう意味でしょうか。

たぶん量は決まりがなくても、乱れるまでは行かないということでしょう。そう考えないと、おかしいことになるのは前後関係からわかります。しかし、ここだけを取り出してみると「酒は量なし。及ばざれば乱す」と読むことも可能でしょう。

これは貝塚茂樹が『論語』で紹介している「こじつけ読み」ですが、[量に及ばないと怒って乱暴するのだ]となります。この部分の読み方の妥当性は、内容から判断するしかありません。一定の語順がない、そうなると文法がないというのは、こういうことです。

      

カテゴリー: 未分類 | コメントする

■業務マニュアルを見たことがないという人への答え:「実質的意味の業務マニュアル」

      

1 他社の業務マニュアル

業務マニュアルは組織のノウハウが詰まった知的財産でもありますから、簡単に公開などしません。転職の際に、そのデータを持ち出したら、法的にも問題になるはずです。そうだとすると、他社の業務マニュアルにお目にかかる機会は、まずないことになります。

業務マニュアルを作成する会社の担当者から、会社の業務マニュアルが使えないと言われていて新たに作成することになったというお話がありました。このときのやりとりの中でその人は、何かいい参考例はないかと思うけれども、会社にはないというのです。

それで、参考になるマニュアルをどうやって入手したらいいのかと聞かれました。他社のいいマニュアルを見せてもらえるのなら、それはラッキーですが、そういう機会はないと思っておいた方がいいでしょう。しかし、それでも困らないのです。

     

2 「業」とは反復するもの

業務というのは、業のためにしなくてはならないことです。業務マニュアルというのは、業務を円滑に進めるための指針となる文書と言えるでしょう。そうなると、一番根本にあるのは、「業」ということになります。「業」は一度でなくて反復するものです。

すでに業績をあげている会社にいる以上、仕事が回っている状態にあります。全く同じではありませんが、仕事ができるという状況ですから、反復して行っている仕組みができているということです。したがって、その仕組みが実在しているということになります。

実務に従事している人は、仕組みを実践できるだけの知識がなくては仕事などできません。すでに仕組みが作られていて、それが実践されていて、それを伝えることもできるのです。こういう組織に業務マニュアルはないのではなくて、あるというべきでしょう。

    

3 記述の仕方が問題

相手が優秀な方でしたので、以上のようなお話をしてみたのです。すでにありますよねと
いうと、少し戸惑った様子でした。それで「イギリスに憲法はありますか?」と聞いたのです。「ないです」というお答えでした。たしかに憲法典はありません。

形式的な意味での憲法は、イギリスにはないでしょう。憲法典はないのです。しかし国が成立している以上、実質的な意味の憲法はあります。マグナ・カルタ、権利章典など歴史的な文書に加えて、判例もありますから、それらが実質的な意味の憲法を支えています。

組織に業務マニュアルという文書がなくても、業務の仕組みはあるのです。それが実質的な意味での業務マニュアルにあたります。普段の仕事の仕組みが業務マニュアルの内容です。文書に書くべき内容はすでにあります。だから記述の仕方が問題になるのです。

      

カテゴリー: 未分類 | コメントする

■日本語の文末の省略について:カテゴリーの省略

      

1 「私はわからない」と「私ではわからない」

ホームページが少しずつ安定化に向かっています。ありがたいことです。もう少し見ていただくのにふさわしい形式にしたいと思っています。ここしばらく日本語の文法の連載が止まってしまっていました。少しだけ文法について、書いてみます。

二つの似た例文があったとしましょう。日本語ですから、私たちはそれらを使い分けられます。両者のニュアンスの違い、意味の違いも分かるはずです。そうやって使える以上、何ら問題ないように思います。しかし文の構造について、意外にも説明できません。

①「私はわからない」、②「私ではわからない」の二つの文は似ています。「私は」と「私では」の違いです。意味の違いも出てきます。①の場合、他の人のことは対象外で自分に関してわからないのです。②なら他の人ならわかるかもしれないと感じさせます。

     

2 破格がしばしば現れる漢文と日本語

こうやって二つの文を比べてみると、主体の扱いが違うのに気づくでしょう。①の主体者は「私」であって、その主体者が「わからない」のです。②の場合、「私では」となっていますから、主体者が「私」ではありません。②のほうは妙な文です。

日本語の場合、②のような破格の文がよく出現します。漢文でもよくあることのようです。『漢文法基礎』の加地伸行は[破格の構文は例外的なものだから、あまり気にしなくてもいいのではありませんか、という質問が出てきそうだ](p.469)と書いています。

これに続けて言うことは[矛盾した話であるが「あまり出てこない例外がよく出てくる」のでコマッチャウンダナァ]ということです。日本語の方が漢文の真似をしたのかもしれません。しばしば出てくるから破格でないという論理は成り立たないのです。

      

3 属するカテゴリーの省略

②の例文の場合、文末の省略と言ってよいでしょう。属するカテゴリーを記述しないで省略している形です。②の例文は、「(これは)私ではわからない(ことだ)」となるものでしょう。「わからないことだ」の主体は、「私」ではなくて、「これ」になります。

文末が「わからない」で確定なら、主体は人間です。誰なのかが問題になります。しかし誰に当たるはずの「私」に助詞「で」が付着していれば、「私」は主体ではありません。主体は「誰」でなく「何」でしょう。主体は記述されていない「これ」だとわかります。

「コンニャクは太らない」ならば、「太らない食べ物だ」といったところでしょう。「このクリームは肌にやさしい」の場合、「肌にやさしい製品です」からカテゴリーを省略した事例になります。文末の省略はカテゴリーの省略の場合に起こるということです。

      

カテゴリー: 未分類 | コメントする

■プロに聞いてみたHP(ワードプレス)の基礎知識:トラブル回避の5原則

      

1 HPの安定性の差

先週、ブログに「デジタル技術の基礎知識:HPのトラブルで痛感したこと」について書きました。世の中には親切な方がいるものです。私よりも数段、技術のことをよく知る方からコメントをいただきました。ありがたいことです。心から感謝しています。

HPのことを書いておこうと思ったのは、自分が関わっているHPの出来不出来に大きな違いがあったためです。5年以上トラブルなしのところがある一方、ワードプレスだけでなく、これとは別の形式で作ったHPでもひどい不具合が起きました。

この差はなんたることでしょう。作成時期の差もあるのでしょうが、素人でも、はっきりわかることがありました。作ってくださった人の差です。ダメになったり不安定化したHPを作った人と、安定していてトラブルがないHPを作った人の差が出ました。

       

2 トラブル回避の5原則

両者の差が、どこにあるのか、厳密なことはわかりません。しかしトラブル続きのHPをトラブルなしのHPを作った人に見てもらった結果、おかしなプラグインがたくさん使ってあって、あれやこれやの設定も、かなり怪しいところがあったということでした。

かなり安定してきましたので、やっと今後のことが考えられるようになります。今回あらためてワードプレスについて、一番基礎の話をお聞きしました。詳細なお話は後にしましょう。まずは以下のように、原則となる5項目のルールがあるとのことでした。

[1] プラグインをなるべく排除する、[2] 自動更新をオンにする、[3] PHP(開発言語)を最新のものに更新する、[4] MySQLを最新にしておく、[5] SSLを有効にする。これらが一番の原則です。トラブル続きのHPには複数の原則違反があったのでした。

       

3 プロが勧めるワードプレス

HPを構築する場合、ここ数年でワードプレスを無視することができなくなってきたということです。これからHPをつくる場合、ワードプレスをお勧めしますとおっしゃっています。会社のHPをワードプレスで構築するケースが増えているとのことでした。

会社のHPを構築する過程で、相当なノウハウの蓄積ができたようです。複数のサイトを作成して、検証をしていくとともに、ロジカルに原因を切り分けていくことによって、かなりの確率で安定的に運用できるHPが構築できるようになってきたのでした。

HPを完璧に安定させられるという人はいないでしょう。しかし確率論から考えて、ここまでやったらトラブルは起きにくい…と言えるようになってきたとのこと。以上も、如是我聞にすぎません。もう少しお話を聞きたいとお願いしたところです。

     

カテゴリー: 未分類 | コメントする

■デジタル技術の基礎知識:HPのトラブルで痛感したこと

       

1 不可欠な一定以上の基礎知識

少し前に、HPのブログがうまく表示されなくなりました。WordPressの「プラグイン」がわるさをしたようです。しかしこういう原因を推定することは、私には出来ません。専門家にお願いしました。そもそもプラグインとは何なのか、知りませんでした。

プラグインというのは、拡張機能のことです。ここでは、HPを作るときに使っているWordPressというオープンソースの拡張機能が問題になりました。WordPressの評価さえできませんでしたから、専門家に希望を伝えて、このプラットフォームになったのです。

今回、プロの方にお話を聞くことができました。私がHPを作った2013年末から2014年にかけてだと、専門家でも分からないことが多々あっただろうとのこと。しかしもはや、一定以上の知識がないと、トラブルになりかねないということがわかってきたようです。

       

2 トラブルの影響と反省

たまたま9月から忙しくなっていたところに、HPのトラブルで、連載が止まってしまいました。しかし今回の対応で、プロが見てもほぼ安定したようです。「1箇所プラグインがうまく設定できない」というコメントですので、この点の解決が必要になります。

もう少しすると、HPが安定的に管理していけるようになるかもしれません。あらためてデジタル技術についての無知を痛感しました。専門家任せで、こちらは何も知らないというのは、やはりダメです。普通以上の基礎知識が必要だということになります。

今回、きわめて技術レベルの高い人にお願いできたのは、運がよかったと思います。この機会に、なんとか基礎的な知識を習得していくべきだというのが、私の反省です。それなりに知っていたこともありましたが、それでは何も役立ちませんでした。

      

3 必要不可欠な知識の範囲

ありがちなことですが、忙しいときのトラブルというのは、身に沁みます。影響なしには済まされません。日本語の文法の連載が止まってしまったのは残念無念なことでした。これは、また再開させるつもりです。この機会に、もう一度内容を検討してみます。

もう一つの願いは、HPのスタイルや構成をすこし変えたいということです。そちらもプロの方と相談して進めていけたらと思っています。このブログでも、種々雑多なものがうまく整理されずに並べられていて、テーマ別に振り返るのが簡単ではありません。

現在、思い当たるキーワードを検索にかけて、必要な文章を見つけていますが、もっと使いやすくできるはずです。プロの方にお願いして、もう少し対話を続けられたらと願っています。必要不可欠な知識がどの程度なのか、その把握からはじめるつもりです。

     

カテゴリー: 未分類 | コメントする

■業務マニュアルと操作マニュアルの違い:電子化と関連して

       

1 作成自体が重要なノウハウ

マニュアルが電子化されていくのは、自然の流れとも言えます。これはオフィスでの場合です。工場では、紙のマニュアルが今後も使われることでしょう。すべてのマニュアルが電子化されることは考えられません。とはいえ、電子化の流れは変わらないでしょう。

業務マニュアルにしても、操作マニュアルにしても、電子化される前提で作成しておけば、紙に印刷しても使いやすいものになります。作成者側は電子化を意識して作成しておいたほうがよいのです。作成方法に関して言えば、電子化で決まりでしょう。

電子化するマニュアルの作成の方が、いろいろ考えて工夫しなくてはならない点があって、高度なものと位置づけられます。あれやこれやの工夫を蓄積していくことは、組織にとっても大切なことです。作成方法自体が重要なノウハウになります。

      

2 図と文字から構成される操作マニュアル

電子化するときに、業務マニュアルと操作マニュアルで、どう違ってくるのでしょうか。例えば、電子化のスタイルを考える場合、図が入ってくるのかどうかで、大きく違いが出てきます。操作マニュアルでは図が重要です。図なしではマニュアルになりません。

図が入る場合、図と文字の両方で説明していくことになります。図と文字の関係をどうするか考えなくてはなりません。レイアウトが問題になります。それだけでなく色使いも工夫が必要です。こうしたスタイルをある程度決めておかなくてはなりません。

この点、業務マニュアルの場合、文字中心の構成になります。それほど図は登場しませんから、操作マニュアルのレイアウトと違ったことになるはずです。色使いの考慮も、それほど必要でなくなります。おもな問題は、文章とその構造をどうするかです。

      

3 知的財産と扱われる業務マニュアル

業務マニュアルの場合、知的財産というべきものと位置づけられます。操作マニュアルの場合、それほど問題になりません。特別高度な製品でない限り、操作の仕方を公開しても支障がないはずです。実際、操作マニュアルが公開されていることがよくあります。

業務マニュアルの事例をネットで見つけてくるのは、そんなに簡単ではありません。もし公開されていても、あまり参考にはならないでしょう。高度な業務に関するマニュアルが公開されることはないはずです。知的財産ですから、公開とはなじみません。

そうなると、知的財産を保護するためのルールが必要になります。電子化されたなら、コピーが容易になるでしょう。その対策が必要です。知的財産にふさわしい管理がなされなくてはなりません。こうした点は、操作マニュアルと大きな違いがあります。

      

カテゴリー: 未分類 | コメントする

■『経営者の条件』へのドラッカー自身の一筆書きとその修正:『われわれはいかに働きどう生きるべきか』第1章

    

1 『経営者の条件』の修正

ドラッカーが1970年代に行ったインタビューを本にした『われわれはいかに働きどう生きるべきか』は意外に知られていません。「研修テープ」を文字おこししていますので、読みやすい本です。このなかで第1章はすこし他の章と違っています。

第2章以下は、目次の最後にも小さく書かれているように[インタビュアーとドラッカー教授の対話形式です]。第1章はインタビュアーが問うたことに対して、ドラッカーが自由に語っています。対話というよりも、インタビュアーが拝聴しているという気配です。

第1章は、ドラッカー自身による『経営者の条件』の一筆書きになっています。1966年の刊行から[10年以上が経ち、少し考えが変わりました。重要性のウエイトが若干変わったのです。また、項目も一つ増えて、五つから六つになりました]とのことです。

      

2 6つの習慣的な能力

『経営者の条件』でドラッカーが書いたことは、インタビュアーが問うた内容と言えます。[成果をあげるには何が必要でしょうか]ということです。ドラッカーはこれらを[繰り返しによって習慣化することが大切だと指摘]していました。

▼成果をあげるには、いくつかの習慣的な能力を身につけなければなりません。
第一が、時間をマネジメントすることです。
第二が、貢献に焦点を合わせることです。
第三が、強みを築くことです。
第四が、重要なことに集中することです。
第五が、的確に意思決定を行うことです。(中略)
第六が、成果を評価することです。自ら目標を立て、自らを評価することです。

第六が加わった項目にあたります。『経営者の条件』を読む人は、その後に書かれたドラッカーのフィードバックについての文章を読む必要があります。この点、『経営者の条件』に加えて必要な文章を追加しているのが『プロフェッショナルの条件』です。

かつて上田惇生先生に、『プロフェッショナルの条件』は「エッセンシャル版 経営者の条件」を含んでいますね、と申し上げたことがあります。「そうそう、そうなの]という答えがありました。ドラッカーは自著をその後、修正して補強する文章を書いています。

      

3 語られる2つのポイント

『われわれはいかに働きどう生きるべきか』の第1章が貴重なのは、20頁たらずの分量で、自らが『経営者の条件』のエッセンスを語っていることです。いわば、ドラッカーによる自著の一筆書きと言えます。どこにアクセントが置かれるかが読み取れるのです。

[重要な仕事のほとんどが、かなりまとまった時間を投じなければならないということ](p.10)を知ることが第一のポイントになります。[マネジャーの仕事というものは、中断されることのない連続した時間を要求するものなのです](p.11)。

そして[致命的に重要なのは、目標だ](p.14)というのが第二のポイントになります。[実は、目標の設定そのものには、それほど時間はかからない](p.13)のです。それに先立って考えておくべきことがあります。そのエッセンスが第1章で語られているのです。

      

カテゴリー: 未分類 | コメントする